named
昼食後、ミーティングルームでお茶を飲みながらのんびりと会話するカールスラントのバカップル二人。
「名前、ねえ」
「前にも話したよな」
「結局どっちにするか決めてないんだよね」
トゥルーデは顎に手をやり呟いた。
「うーん。エーリカ・バルクホルン……悪くないな」
エーリカもカップを手に、話し掛ける。
「ゲルトルート・ハルトマンも良いんじゃない?」
「両方足すのはどうだ? エーリカ・ハルトマン=バルクホルン。もしくは……」
「微妙にややこしいよね。長いし」
そこにやって来たのはエイラとサーニャ。
「二人して何話してんだヨ?」
「私達の名前の話だ。結婚したらどうするかって」
「何ダヨ。二人はもうとっくに決めたのかと思ってたヨ」
半分呆れ顔のエイラに、エーリカが言った。
「それが色々ね~。任務の上ではややこしいから当分今のままだけど」
「将来はどうするか、だな」
頷くトゥルーデ。
「名前なんて何でもいいじゃんかヨ。お互い好き同士ならそれでいいダロ?」
「サーニャ・ユーティライネン……」
エイラの脇で、耳元でぼそっと呟くサーニャ。
「さ、サーニャ!? それでいいのカ!? てかサーニャの本名もっと長かったヨナ……」
猛烈な勢いでサーニャの肩を掴むエイラ。
「じゃあ、エイラ・リトヴャク」
「ううッ……、わ、私は何でもイイゾ? サーニャの好きな様ニ」
「エイラ、慌て過ぎだ。何を必死になっている」
たしなめるトゥルーデ。
そんな四人の会話を聞いていたミーナと美緒。
「美緒・ヴィルケ。ミーナ・サカモト。どっちが良いかしら?」
「んんっ? 何の事だ?」
ミーナのいきなりの発言で咄嗟に意味が分からず、首をかしげる美緒。
「芳佳ちゃん。私達はどうする? 芳佳・ビショップなんてどう? 悪くないと思うけど」
「じゃあ私、リーネちゃんのお嫁さん? なんかワクワクする」
「あ……じゃあ、リネット・ミヤフジなんてどう?」
「リーネちゃん、お嫁さん……」
はわわと何かを想像し、幸せな気分に浸る芳佳。だが端から見ると卑猥な妄想をしている様にしか見えない。
「ウジャー シャーリー、あたし達は?」
「その時になったら考えればいいさ~」
「あたしシャーリーのお嫁さんになる~」
「じゃあフランチェスカ・イェーガー、……か?」
「なんか速そうでカッコイイ! それにする! しよう? ね?」
「確かにシャーロット・ルッキーニだと何かしっくり来ないな。何故だろう」
窓際でひとりたそがれるペリーヌ。
「まったく、揃いも揃って何を話してるかと思えば……」
はあと呆れて、窓の外を見る。ぽつりと呟く。
「ピエレッテ・サカモト……もしくは美緒・クロステルマン……嗚呼」
頬が赤くなるペリーヌだった。
end