無題
ぽかぽかとー、サーニャが隣で、にゃにゃにゃにゃーん!
こんばんは、エイラです。
今日も空気読まずに来襲してきたネウロイを粉砕し、軽く汗を流した後、うつらうつらと…ワタシは自室で落ちそうな瞼とまどろみに揺られていた。
ベッドの縁に腰掛け、食堂でミヤフジ達と談笑していたサーニャの楽しげな姿を思い出す……
サーニャが笑顔でいられる時間が増えた。
そも、引っ込み思案であったサーニャの立場を考えれば、喜ぶべき事でしかないハズではあるのだ。
が、それを素直に受け入れられないのは、偏に自身のサーニャに対する気持ちの置き所故だろう。
サーニャの笑顔を見ているだけで、ワタシは幸せだ。
……たとえ、その笑顔が自身に向かっていなかったとしても……
ワタシは幸せと思えているのだろうか。
ため息を一つ、我ながらツマラナイ事を考えてる、と思った。
無理矢理閉じた瞳の端から零れ落ちる涙の訳を、未だワタシは理解出来ない。
こうして、ワタシは時より、得体の知れない恐怖感に怯え、一人暗闇の内に沈むのだ……。
……ラ…。
暖かい……
……イラ…。
甘い甘い彼女の声。優しく柔らかな彼女の声。
ふっ、と静かにワタシを包み込む、自然で儚げな優しさ……
それはまるで、夜空に浮かぶお月様の光……
サーニャの……暖かさ。
そう、これはサーニャの…!!?
ガバッと起きそうになった身体を急制止させる。
そろそろ、と目をやった右腕には、腕を絡める様にしっかりと掴むサーニャの姿。
キョウダケ…カシャ…ダカンナ……
口の中で呟いた言葉に重なる様に、何やら凄まじい違和感を覚えた。
というか徐々に視線を上げると見たくないのに堂々とした違和感が群がっていた。
やっと起きたか、って、何故にカメラを向けるんだよ、バルクホルン大尉。
……オイ、その他大勢、なんでニヤつきながら部屋の中覗いてんだ!!
その中でミヤフジがくいくい、と何やら下を指差す。
下を見ると笑顔のサーニャ……って起きてる!?
あわわわ、と思わず慌てるワタシにサーニャはツイッとある方向を指差した。
カシャッ!
呆然としたワタシと笑顔のサーニャ。
しばらくワタシはこの写真を見る度に悶えるハメになったんだ。