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ミーティングルームに集う隊員達。リーネの煎れた紅茶と特製のお菓子が皆に振る舞われる。
「わあ、このお茶とお菓子美味しいです! やっぱり良いなぁ、ここ」
「だから、お茶とお菓子で所属を決めるのは良くないぞ」
「でも、制服が可愛いとか言ってガッコー決める子だってたくさんいますよ?」
「ここはどこぞの学校じゃない。戦いの最前線だ」
「ああ流石です、お姉さま……」
「こら、その呼び方は止めろ」
「じゃあ、お姉ちゃん!」
「……バルクホルンさん?」
「はっ、いけない。意識がつい彼岸の彼方へ……頼むからその呼び方は止めてくれ」
「『お姉さま』『お姉ちゃん』だってさ~。やるねえ堅物。横でヨメがふてくされてるぞ」
「ウジャー 何か泥沼~」
「いいよね~トゥルーデはモテモテでさ~」
「言うな! エーリカ誤解だ! てかなんでここにヘルマが居るんだ!?」
「今度は飛行テストだそうよ。シャーリーさんのP-51Dとどっちが速いか勝負ですって。楽しみね、美緒」
「ああ、そうだなミーナ」
「負けませんよ、シャーリー大尉」
「ノリノリだな、ヘルマ。あたしはもう既に負けた気分だよ……。ジェットストライカーにどうやって勝てって言うんだよ?」
「あたしがチューンしてあげる」
「ルッキーニはチューだけでいいよ。てかあの感覚、もう一度で良いから味わいたい……ああ……」
「リベリアンはすっかりスピードに取り憑かれたな。……おい、リベリアン?」
「格闘戦なら負けませんよ? レンナルツ曹長」
「お、宮藤。まさか単機でレンナルツに挑むつもりか? 良い度胸だ。日々の訓練の賜物だな! はっはっは!」
「格闘戦に持ち込めば、必ず何とかなります! 坂本さん直伝の左捻り込みで……」
「甘いですね。時代は一撃離脱の集団戦です。相手の得意分野、自分の不得手なとこにわざわざ入る訳がないです。
それに個々の技量はあくまで補助的なものであって、Me262はそもそも速度が……」
「あらあら、みんなで模擬戦で、しかも集団戦? 良いわね実戦的で」
「なら、私とミーナは戦の見届け人だな」
「わたくしは少佐のお供と記録係を担当いたしますわ」
「じゃああたしは芳佳と一緒にヘルマを討つ~」
「じゃあ私も芳佳ちゃんと一緒にレンナルツ曹長を狙い撃ちます」
「私は、芳佳ちゃんを魔導レーダーで支援します」
「私はサーニャの掩護をするゾ」
「ならば私は(姉として)宮藤の側に立って掩護しよう。エーリカも来るだろう?」
「私は何でも良いよ。トゥルーデを諦めてレンナルツさえ帰れば」
「ちょっと待って下さい! 何で501全員を敵にしないといけないんですか!? 幾ら何でも不利です!
あとハルトマン中尉、さりげなく『帰れ』とか酷いです……ううっ」
「じゃあ、あたしがヘルマをサポートしよう。同じハイスピードなストライカー同士、息が合うんじゃないか?」
「あの、巡航速度からして既に相当な差が有るんですけど……」
「ヘルマの馬鹿! シャーリーいじけちゃったじゃん!」
「いいよなあ、ジェット……。どうせあたしなんか……」
「何故落ち込むんですかシャーリー大尉!? 私は単に性能的な事を言っただけで」
「どうせあたしのP-51Dは遅いですよ。……笑え、笑えよ」
「ウギャー シャーリーがやさぐれたー」
「ルッキーニ、こう言う時はもう一度ストライカーをバーンと派手にやればイインダヨ」
「え? でもあたし、どうやったかもう覚えてないし……また怒られたり殴られたりしそう」
「こうなったらヘルマ、お前のストライカーをあたしによこせ! あたしが履いて音速超えてやる!」
「やめてください! Me262は極めて精密でデリケートなストライカーなんですよ?」
「……あたしの国をまた馬鹿にしたな!?」
「何故怒るんですか? 私何にもヘンな事言ってないのに」
「ちくしょー! ヘルマのストライカー貰う、て言うか○○してもうばいとる!」
「待って下さい! 勝手に私のストライカー履いちゃダメです!」
「リベリアンを怒らせてる自覚が無いのか、ヘルマ。それは問題だぞ」
「助けて、お姉ちゃん」
「とにかく、みんなお茶でも飲んで少しゆっくりしなさい。良いですね?」
「はーい」
「トゥルーデ、目覚めた?」
「……すまないエーリカ、私は一体何を」
「シャーリーはシャーリーでイイジャン」
「うん、そうだなルッキーニ。お前のお陰でなんか吹っ切れたよ」
「お茶のおかわりお持ちしました~」
「わあ、このお茶とお菓子美味しいです! やっぱりもう一度501に転属願い出そうかなあ」
「一度出してたのか!?」
「バルクホルン大尉も私を推薦して下さい」
「だから、お茶とお菓子で決めるのは良くないぞ」
endless