ある中隊長の穏やかな?一日(光宗)


ミカの朝は地獄のように熱く、絶望のように黒く、失望のように苦いコーヒーで始まる。第一中隊の宿舎、窓際に近いミカのベッドを中心に隙間なくベッドが集められ、ミカに寄り添うように愛らしい寝息をたてている少女やしどけなく抱き付いている者もいる。因みに全員全裸である。コーヒーを一口飲むとミカはまるで上等のマシュマロを口に含むように、可愛い“いもうと”たちの唇やなだらかで柔らかな膨らみに深く口付けをした。

「わたくしの可愛い“いもうと”たち、もう朝よ。起きなさい」
 その一声で中隊全員が目を覚まし、ミカに抱き付いてくる。
「御機嫌よう、お姉さま」
「お姉さま、昨晩は……その、素敵でした」
「お姉さま、御髪を整えますわ」
「では、私は服を」
 
 人が傍目に見ると何処の王侯貴族のハーレムかと目を疑うであろう。そしてそのハーレムの主人はブロンドの巻き毛が美しき少女なのだから更に首を傾げる事になる。が、ここはスオムス空軍の駐屯地であり、ハーレムの主は第一中隊長でその寵姫達は彼女の列機たちなのだからある意味職権乱用なのかもしれない。
 だがそれについて文句を言う者はおらず、列機たちもその事については不満を漏らすことも無い。――まあ、新しく“いもうと”を迎えようとすると紛糾することがあるのだが。
 
 “いもうと”たちに身支度を整えてもらい、ベッドから離れてスツールに腰掛ける。飲みかけのコーヒーを口にしながら身支度を整える“いもうと”たちを眺める。ミカにとっては欠かせない朝の至福のひと時である。


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