すきのしるしのきす


「ねぇ、エイラ」
「なんだー?」
「この前、芳佳ちゃんからね、扶桑の不思議な言葉を教えてもらったの」
「へぇ、どんなダ?」
「えっと、“すきの、しるしの、きす”だって」

「ふぅん…どう不思議ナンダ?」
「あのね、逆から読んでも同じように読めるんだって」
「ホォ、えーと…“すき…”ナンだっけ?」
「“すきの、しるしのきす”。これを逆さに…」
「んー、…私はよくわかんないケド宮藤が言うんならそうなんだろうナ」
「うん…」


「ナァサーニャ。それに意味はあるの?」
「え?」
「その言葉って逆さに読むだけじゃ終わらナイ気がするんダ。なにかもっと素敵な…」
「そう! 素敵な意味があったの!」
「わっ! 急にどうしたんだ…?」
「あ、ごめんね…」
「イイヨ、大丈夫さ。それで、なんて意味なんダ?」
「うん、芳佳ちゃんは、上から読んでも下から読んでも大好きの証拠のキス、っていう意味なんだー、って…」
「ぶっ! 宮藤のヤツ…」

「私は…、私はね?」
「ナ、なに?」
「私は、エイラが…、エイラのことが好き…。大好き」
「さ、サーニャ?」
「だから…。ちゅ……」
「…!」

「エイラは、私のこと…どう思ってるの?」
「えぅ…」
「私のこと、好き?」
「…うん……。好き…ダヨ」
「ほんと?」
「あ、あぁ、大…好き、ダ…」
「じゃあ、キス、して」
「や、やっぱり…?」
「うん。すきのしるし、ください…」


「……これで…いいカ…?」
「うん……。うん…、ありがとう…」
「サーニャ、泣くなヨ…」
「だって…うれしいんだもん…!」
「わかったカラあんまし泣かないで。ナ?」
「う、うん…。ぐすっ…!」

「よしよし、…私はサーニャが好き。大好きダ!」
「私は…私はエイラが大好きっ!」


END


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