伝わる心
「なんか今度少佐が宮藤の学力テストをするんだっテ」
「テスト…」
「ん? どしたサーニャ」
「私、エイラに関するテストなら満点とれる自信があるわ」
「えぇ? いきなり変なこと言うナヨ~」
「変じゃないわ。私はエイラのことならなんでも知ってるの」
「た、例えバ…?」
「例えば…、エイラは私が眠ってる隙に、キスをする練習しようと顔真っ赤にしてたり、ナチュラルに手を繋ぐシミュレーションしてたり」
「な、なぜソレを!?」
「他にも食事が終わった後、私のスプーンとかを狙ってる。私の服をたたむ時楽しむためわざとゆっくりやってるでしょ。それから――」
「――やめてえぇぇぇ!! 私が悪かっタ! 謝るからもう許して……」
「ふふふっ。…ね? 私はなんでも知ってるの。エイラのダメなとこも、優しさも、かっこいいところも…」
「サーニャ…」
「そして、エイラがいちばん私を愛してくれてることも…」
「なっ、何言ってんダヨ…」
「私はエイラのことならなんでも知ってる。エイラは私のこと知ってる?」
「あ、あああ当たり前ダロ! 私を誰だと思ってんダ!」
「じゃあ、私の気持ちもわかってるよね?」
「ぅ…」
「わからない?」
「いや…わかる、よ……?」
「うん、言ってみて」
「えぇと、サーニャは…私のことが……す、す……なんダ…」
「ちゃんと言って、お願い」
「うぅぅ…。サ、サーニャは、私のことが、すす、すきなんダ…!」
「うん、そう…。それが私の気持ち。私のいちばん大事な気持ち」
「ぇぅ…」
「じゃあこっちもわかるよね? 私が今してほしいこと」
「え…? ちょサーニャ、それは…」
「わかるんでしょ? なら、ね」
「う、あ、あぁわかるヨ。わかるケドさぁ…」
「今こそ練習の成果を見せるときじゃないの?」
「それは言わなくてイイヨ!」
「うふふふっ」
「ったくぅ…」
「あぁ、早くしてほしいな…?」
「……」
「まだかなぁ…?」
「……」
「エイラならきっとしてくれるとおも――」
「…ありがと、エイラ」
「…どういたしまして……」
「ねぇ…」
「な、なんダヨー」
「今私が言いたいこと、わかるよね!」
「ちぇ…。そうだよよーくわかるヨ…」
「じゃあ、言うよ…」
「「だいすき!」」
END