ブリタニア1944 format by LYNETTE MAY DAY
目が覚めると、そこには健康的な肌色に挟まれた綺麗なピンクの粘膜が覗いていた。
今、わたしは芳佳ちゃんの身体の上に頭の方向を逆にして乗っているみたい。
そっか、毎回毎回だけど盛り上がった時の姿勢のままお互い気を失っちゃったんだね。
だから芳佳ちゃんの股間が目の前ほんの数インチにあるんだ。
たまらない愛おしさを感じさせてくれるそこにむかって、無意識に舌を伸ばし、なぞる。
ステキな舌触り。
見て、触れているだけで幸せになってくるからついつい続けてしまう。
幸福に浸りながらふと思う。そういえばもう朝なのかな? でも、あんまり関係ないね……地下室には陽が射しこまないから良く分からないし。
ここ数日間でかなり器用になった舌を駆使して、柔らかく閉じられているソコをくつろげる。
そこからは真っ赤に充血した可愛らしいクリトリスが覗いた。
夕べ散々弄ったって言うのに、改めて見つめるその突起が愛おしくてたまらなかった。
芳佳ちゃんは本当に何処から何処までも可愛いな。
心で呟きながら、唇を寄せ柔らかくそこに含む。
唾液を絡ませながら舌先でちろちろと舐め、つつき、わたしがこういう風にされたら幸せだな、って思える事を試す。
うん、そうだ。
これから芳佳ちゃんの目覚ましはこうしよう。
先に目が覚めたほうがここを弄っておはようを言うなんてとってもステキ。
「……んっ……うぅ、は……ぁ……んぅっ……」
私の足の付け根辺りからは意識がないながらも盛り上がってきている芳佳ちゃんの吐息を感じる。
夕べはちゃんと芳佳ちゃんにもしてもらえたんだ……ふふふ、嬉しいなぁ。
それじゃ、もうちょっと頑張って本格的に起きてもらおうかな。
目を覚ましたら傷の調子を見て、大丈夫そうだったら今までわたしが芳佳ちゃんにしてしまった分の『おかえし』をして貰おう。
「うふ、たのしみだなぁ……早く起きて、芳佳ちゃん……ちゅ」
「はぁん」
少しずつ刺激を強くしていくと、比例して甘い声も高くなりはじめる。
姿勢をちょっとだけ直して芳佳ちゃんの顔を跨ぐ様にしてみる。お互いに一番恥ずかしい所に『おはよう』出来る関係なんてそうはないと思うの。
また一つ二人の距離は縮まるんだね。嬉しいよ、芳佳ちゃん。
ああ……でも、こうやって一方的にしてるだけなんて我慢できないよ。ねぇ、早く、早く目を覚まして。
一人で盛り上がって辛抱たまらなくなってきたわたしは、自分の場所を弄ってしまいそうな手を芳佳ちゃんへの責めに使う事で何とか自制した。
深く食い込んだままのお尻の器具をちょんちょんとつつく。
魔法に反応して振動するそれは芳佳ちゃんが意識を失っている今は極々微細な振動だけをして小康状態を保っている。
ボールの連なったようなつくりのその器具の、一つだけ外に飛び出した部分を摘まんで引っ張ってみる。
「ぅんっ」
返ってくる反応に悦びを覚えながら手を動かし、刺激を重ねる。
唇はやわやわとクリトリスを刺激しながら、同時にそのボールを引っ張ったり押し込んだりしてみる。
ここ数日間の調教ですっかりいい具合に性感帯になってきたお尻の穴は柔軟に開いたり窄まったりして私の目を楽しませてくれる。
「あっ! んっ! くふぅっ!」
芳佳ちゃんの事を大分解る様になってきているわたしには、声のトーンで覚醒が近いの事がわかった。
一瞬だけ刺激を止めてから魔力を発動する。
スコティッシュフォールドの耳と尻尾がわたしに生える。
魔力発動の瞬間の感覚が性的な快感に近いことに気づいたのはいつ頃だったろう?
思い返してみれば、性的なストレスの処理を自分で行える事に気づく前は、こうして魔力を発動するたびに少しだけの快感に揺られて、その後の悶々とした感覚を抱える事が微妙な重みになっていた気もする。
でも、今は違う。
芳佳ちゃんは私にウィッチとして戦う為の勇気と自信をくれたし、今度は私がどんなにいやらしいえっちな女の子でも許して貰えるって言う証をくれようとしてる。
芳佳ちゃんはまだ素直になりきれてなかったけど、きっと思いは伝わっているから大丈夫。
目を覚ました芳佳ちゃんが、どんな事をしてくれるかすごく楽しみだな。
ね、わかる?芳佳ちゃん。私こんなに心臓がどきどきしてるの。
お腹に、芳佳ちゃんが大好きな私のおっぱいを押し当てる。
自分で思っていた以上に硬くなっていた乳首から返ってくる感触にびくっとしちゃうけど、ぴりぴりとした快感を受け取る事を止められなくて身体を擦り付け続けてしまう。
芳佳ちゃん、私、おっぱいだけで逝きそうだよ。
でも、我慢しないと駄目だよね。
逝くときはいつも一緒でいたいよ。
何とか身体を浮かせてから、目の前に手をかざし、改めて魔力をこめる。
指先に魔法の青い光を煌いた事を確認し、その手で芳佳ちゃんの女性器の向こうから飛び出している尻尾の根元、お尻の穴に深々と埋め込まれた器具を押し込むように刺激した。
ぶるるっ。
器具が振動する。
振動は即座に器具を包み込む柔らかいピンクの粘膜へと伝わって、奥の奥まで快感の波を届ける。
私の献身と秘密のお薬でじっくりと性感の炎に炙られた芳佳ちゃんの排泄器官は、元々備えられていた機能以上にその波を受け取って快感に打ち震える。
その衝撃はお腹から脊髄を駆け上がって直接脳を揺さぶり、閉じられていた意識を覚醒させる。
「ヒッ! ああっああああっああああああああぁぁぁぁぁ…………」
「おはよう芳佳ちゃん」
身体を起こして捻り、おはようのご挨拶。
でもどうやら芳佳ちゃんは目を覚ますと同時に果ててしまったみたいで、とろんとした焦点の合わない目で虚空を見つめながらはぁはぁと肩で息をしている。
折角恥ずかしい場所を晒して芳佳ちゃんがどんな感想を言ってくれるか楽しみにしてたのに、私のソコを見てはくれていないみたい。
一旦身体を起こしてから方向を変えて改めて覆いかぶさる。
キスしたい衝動に駆られながらも唇をパスして耳元に口を寄せて放心状態から戻ってこれない様子の芳佳ちゃんに囁く。
「ねえ、おはよう、だよ、芳佳ちゃん」
返事は返ってこない。
なのに右手に触る発展途上の乳房のその頂点を半ば無意識の内に軽く指先で摘まんで柔らかくて硬い感触を楽しむと、その桜色の唇からは可愛らしい喘ぎが漏れる。
「んっ……」
芳佳ちゃんの意識はまだ戻ってこない。戻ってこれないくせにえっちな刺激にだけは敏感に反応するなんて、ちょっとずるいよ芳佳ちゃん。
「芳佳ちゃん、起きて」
「あぁん」
言いながら、優しく乳首をこねるのをやめられない。
わたしもえっちな事が止められないからお互い様だけど、芳佳ちゃんがずるいのは譲れない。
だから、えっちな理由でお寝坊さんな芳佳ちゃんにちょっとだけ意地悪しちゃうよ。
「ふふ、芳佳ちゃんが悪いんだよ」
お臍の辺りからなぞるようにして股間に手を差し入れ、潤った粘膜を伝ってその奥にある尻尾にたどり着く。
私の手にあわせて変化するその声のトーンを楽しみながら。自分の魔力を絞り込む。
こうして器用に魔法を扱えるようになったのも芳佳ちゃんとの訓練のお陰だから、ある意味そういった事のお返しをしているみたいなものなのかも。
魔力を極限まで押さえ込んだ手で器具を掴む。
ゆっくりと下へ引く。
お尻の中に飲み込まれていた珠が引きだされ、ぽこりという感触と共に露出する。
「ん……んぅ……ふぅ……」
一瞬だけ、僅かに緊張が高まってから弛緩する。放心していてもわかる表情の変化を楽しみながら、右手を動かす。
ずっとお腹の中をいっぱいにしていたものが排出されていく開放感、安堵感が人の持っている根源的な快感を呼び覚まし、芳佳ちゃんの表情がもう一段階の高みへと登っていく。
そんな芳佳ちゃんを見られる喜びに頬を緩ませながらも、ゆっくり、ゆっくりと尻尾を引いて芳佳ちゃんの体内に引き出し続ける。
ぽこり……、ぽこり……、ぽこり……。
器具の全部がお尻からでそうになったところで一旦手を止めて、軽く深呼吸。
軽く瞬きをして目を潤わせ、次の瞬間を見逃さないように備える。
興奮が止まらない、にやけてしまうのが止まらない。
芳佳ちゃんがどんな反応をしてくれるのか、楽しみで楽しみでドキドキが加速する。
そう、私は止まらない。止まれない。もっともっと先へと、進みたい。
「芳佳ちゃん、芳佳ちゃん、起きて」
荒い呼吸と上擦った声で呼びかける、流石にちゃんとおきてくれそうな予感がある。
予感があったから呼びかけた、
だって、今からすること、私の意地悪はちゃんとした芳佳ちゃんが受け止めて欲しいから。
願わくば、少しでもいいからこれが愛してるからこその行為なんだってことを、少しでも感じて欲しいから。
「ふぇ?」
「おはよう。お寝坊さんだよ、芳佳……ちゃん!」
右手に力と魔法を込めて、器具を押し込む。
「ひぐっ!!!!」
抜けかかっていたその魔法のアイテムは、私の魔力に反応して大きく振動しながら芳佳ちゃんのお尻の中へと還っていく。
一度はその全体を受け入れ、一晩以上もの間それをくわえ込み続けていたピンクの窄まりはすっかり柔らかくほぐされていて、さしたる抵抗もなくそれを飲み込んでいく。
「あがっ! くううううんんんっ! やっ! やだっ! やらっ! おしっ……おしりだめ……らめええええええええ!」
芳佳ちゃんは私の声に反応して一瞬だけこちらを見た後、驚きと快感の入り混じった表情で虚空に向かって絶叫する。
たまらないよ、芳佳ちゃん。
思ったとおり、ううん、思った以上に可愛いよ。
「よしかちゃぁん……ちゅ」
「ううっ……んむっ」
本当は声をもっと聞いていて上げるべきだったのかもしれなかったけど、愛おしさが止められなくてむしゃぶりついてしまった。
舌を入れる、濃厚なキス。
唾液をたっぷり絡ませて、暴れる舌の感触を楽しむ。抵抗らしい抵抗は皆無で、ただ私の舌を楽しませてくれるために暴れるだけ。
芳佳ちゃんと肌を合わせていられるのが嬉しい。悦びが全身を駆け回って、それはもうキスだけで逝ってしまいそうなほど。
そうだ、私をこんなに幸せにしてくれるお礼に、芳佳ちゃんを気持ちよくさてあげよう。
今度は意地悪じゃなくて、ありがとうの気持ちを込めて……。
「んはぁ……芳佳ちゃん」
「はぁ、はぁ、はぁ……リーネちゃん?」
「芳佳ちゃん、私を幸せにしてくれて、ありがとう……ね!」
それは多分狙撃の時以上に集中して高められた魔力。
指先へと集められたそれは、引き金ではなくて芳佳ちゃんのお尻に深々と挿さり込んだ器具の後端を叩く。
「ぎぁっ!!!」
指先から帰ってきた振動の反動は私も驚くほど強くて、そんな衝撃をお尻の中で受け止めてしまった芳佳ちゃんは快感四割苦痛六割くらいの短い悲鳴を上げると、また意識を失っちゃった。
気絶した後も荒い息のまま時折びくびくと身体を震えさせ、絶頂の余韻を残す芳佳ちゃん。
少し苦しそうではあったけど概ね幸せそうで何よりだね。
でも、考えてみると芳佳ちゃんを起こそうと思ったのに、また途中で目的を見失っちゃった……反省しないといけないね。
それはそうと、手足はさっきから結構動いているけど全然痛がってないみたい。
怪我はすっかり治ったんだね。うふふ、嬉しいな。
あと、お尻のほうはだいぶ今の器具の大きさに慣れたみたいだから、もう一回り大きいのを入れておいたほうがいいかな。
それじゃ改めて芳佳ちゃんが目を覚ます前に色々準備をしておこう。
腕と脚の『服』を脱がして、包帯を取ると案の定傷は殆ど完治していた。
今のところちょっとだけあとが残っているけどこの分なら最終的には綺麗に直りそう。
ついでだから一旦首輪以外全部脱がして拭いて、全身を綺麗にする。
そのままの姿で椅子へと連れて行って脚持ち上げ、大きく開いた姿勢にする。
手早く体温程度のお湯を用意してからいくつかのお薬を混ぜてお腹の中の洗浄液を作り、その後にお尻の器具をゆっくりと引き抜く。
ずっとずっと広げられっぱなしだったお尻はすぐには締まらなかったので舌と指で軽くマッサージしてちゃんと窄まるようにしてあげる。
次は道具箱からシリンダーを取り出してなるべく刺激をしないようにその窄まりにあてがい、ゆっくりとシリンダーを押し込んでいく。
あとは意識のない芳佳ちゃんのかすかな喘ぎ声を楽しみながらじっくりとお腹の中のお掃除をして、それが終わった後は予めピックアップして机の上に別にしておいた一回り大きい器具を手にとった。
思ったよりも大きいけど、前のがスムーズに出入りできていたし、きっと大丈夫。
入れる前にちゃんと濡らさないとね。
「んちゅ……れろ……ぴちゃ……」
それに舌を這わせる。これがこれから芳佳ちゃんの中で暴れるんだって思うとそれだけで色んな思いがわきあがってきて、股間が甘く痺れてくる。
濡らす為だから、だから、いいよね。
自分に言い訳しつつそれをあそこに宛がって、こすりつける。濡れっぱなしのソコはあっという間に目的を果たしてくれるんだけど、でこぼこがすごくキモチイイ。
「はぁっ、あんっ、これ……いいよぉ」
駄目だよ私、芳佳ちゃんが起きる前に入れなきゃいけないんだから……。
懸命に自分に言い聞かせるけど、手が止まってくれない。
こ、これが振動したら、きっと私駄目になっちゃう。
そう思ってしまったのが失敗だった。
ぶるるるるるる。
思うことで無意識に込められた魔力に珠が反応して振動をはじめる。
私の快感が一気に加速する。
「くぅっ! あはぁんっ! だめ、ふるえちゃだめぇ!」
すごい……気持ちよすぎる。
それに……それにこれから芳佳ちゃんを気持ちよくするこの珠たちが、今私を気持ちよくしてるっていう事実を思い、盛り上がってしまう気持ちを止められない。
そこに、唐突に声が響いた。
「ん……りーね、ちゃん……」
驚いてそちらを見ると同時に、股間に擦り付けていた手元が狂い、爪で粘膜を引っ掻いてしまった。
「!!!」
余りの衝撃に声にならない叫びを上げて器具を取り落とし、蹲る。
どうやら芳佳ちゃんは目覚めたわけじゃなくて、単なる寝言みたいだけれど……ううっ、痛くて動けないよぉ……。
痛みが引くまで待ってから、器具を拾って立ち上がる。
でも、考えて見ると今のって芳佳ちゃんが助け舟を出してくれたんだよね。
こんな時にだって私を助けてくれる芳佳ちゃんって凄い。
改めて好きになっちゃうよ。
嬉しくなった私は早速芳佳ちゃんの脚の間に跪いて何の躊躇もなくお尻の穴にキスをした。
下に触る、柔らかい肌と粘膜の感触が心地いい。
舌を軽く動かしてその窄まりをくつろげる様にすると、芳佳ちゃんが小さく反応する。
たっぷりと涎を絡ませてから唇を離し、指を当てて広げる。
「ん……」
芳佳ちゃんの反応が大きくなる。
気にせずに私のえっちなお汁で全体がぬるぬるになっている器具を手にとって、宛がう。
少しずつ力を入れていくと、予想通り拡張の進んでいたソコは徐々に広がって一つ目の玉を飲み込む。
「んぁっ……」
珠の一番太い所を通り過ぎるときゅっと窄まるけど、それが全部窄まりきる前に次の球がその穴を広げ始める。
珠の数は7つ。
前のと同じで最後の一つは入れないで外に出しておくようなつくりになっている。
全体に珠の大きさが大きいけど、柔らかくほぐれた芳佳ちゃんのお尻の穴は、二つ、三つとゆっくりだけど難なく珠を飲み込んでいく。
器具の機能として魔力発動状態の維持強制があるんだけれど、一旦抜いた事でそれは解除されているんで振動している事も一番端の珠から尻尾が伸びていたりする事もない。
「あぁっ、あんっ……んっ」
よかった、芳佳ちゃんも気持ちよさそうな声を上げてる。
それじゃ、残りは一気に行こうかな。
三つ目と四つ目の間で軽く前後に動かして刺激すると、芳佳ちゃんの声が大きくなる。
「あああぁん、あぁぁぁ、うんんんっ、んぅっ、ああっ……」
声のトーンが上がってきて興奮が高まってきているのがわかる。
さらにすぐ目の前の芳佳ちゃんの女のこの部分がとろけて潤ってきたのを確認すると、私は力をこめて一気に珠を押し込んだ。
ずぶっずぶっずぶっ。
四つ目五つ目六つ目。
「ひいぁっ!」
芳佳ちゃんの悲鳴気味の嬌声と共に、珠は無事六個目までが収まった。
「おはよう、芳佳ちゃん」
立ち上がって飛び切りの笑顔で、今日何度目かのおはよう。
「りっ、リーネちゃん!?」
「二度寝までして、随分とお寝坊さんだったよ、芳佳ちゃん」
「うううっ、んんっ……お、お腹……お尻、何かへんだよぉ」
圧迫感が増しているせいなのかな? 私よりも自分のお腹を気にするんだね、芳佳ちゃん。
でも、せめておはようの挨拶くらいはして欲しいな。
「おはようは? 芳佳ちゃん」
「リーネちゃんっ! たすけてっ!」
挨拶は欲しかったけど、助けを求められたんなら仕方ないかな?
「もう、仕方ないなぁ、芳佳ちゃんは……気になるなら自分で何とかしてみればいいと思うよ」
笑顔は崩さずにアドバイス。
でも、不満が出ちゃったかな。なんとなく冷たい言い方になっちゃったかも。気をつけないとなぁ。
「えっ!?」
そこで初めて自分の手が治っている上に拘束もされていない事に気づいた様子の芳佳ちゃん。
慌てて立ち上がろうと脚を閉じて床に足をつけるんだけど……。
「ひあっ!」
叫んで座った姿勢で飛び上がる。
当たり前だよね、自分の体重でお尻に珠を押し込んだんだから。
ふふ、でも微笑ましいよね。
すごく可愛いよ、芳佳ちゃん。
きっと私もドジ踏んじゃってる時はこんな風に見えてるんだなぁって思うと、余計に親近感がわいてくる。
「ううっ……」
芳佳ちゃんはお尻から湧き上がる快感に逆らいながら肘掛に手を置いて、必死に立ち上がろうとしてる。
とろけそうになるのを必死に我慢してる表情ってステキだよ。
本当は目覚めたらもっと素直になってくれてるものだって思っていたけれど、やっぱり芳佳ちゃんて凄いよ。
「芳佳ちゃん」
名前を呼んで、手を差し伸べる。
上目遣いの芳佳ちゃんは私の意図を察してその手をとる。
その手に力をこめて、私に頼って身体を引き上げる。
一瞬だけ意地悪な心が力を緩めればさっきの声がもう一度聞けるよって囁くけど、頑張る芳佳ちゃんを見るのも大好きな私はその声を無視して、こちらも手に力をこめる。
やっとの事で立ち上がった芳佳ちゃんは、そのままの勢いでわたしの胸に抱かれるような姿勢になる。
大好きな私のおっぱいに顔を埋めた姿勢で半ば体重を預けたままに荒い息をしている。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「大丈夫? 芳佳ちゃん」
「うぅ……ぬ、ぬかない……と……」
わたしの事場を無視して、左手で私にしがみついて右手をお尻に回す。
その手がお尻から一つだけ飛び出た珠に触れて、指先で掴もうとする。
「はぁん……す、すべるよぉ……」
でもそこは私の涎とえっちなお汁、それと多分芳佳ちゃんのえっちなお汁にも塗れてぬるぬるで上手くつかめないみたい。
その途中で何度か押し込むようになって喘ぎ声を上げて手が離れて、また掴もうと努力する。
何度かのトライでやっとの事でそれを掴んで引っ張るけど……。
「ひいいいっ!?」
胸の谷間から大きな声を上げる芳佳ちゃん。
さっきから頭をもぞもぞと動かすたびに外に跳ねた髪がちくちくとおっぱいを刺激してずっと気持ちいい状態が続いていて、その感覚が声の響きで加速してくのがわかる。
すごく感じちゃう。
珠は中身ごと引っ張られて、ただお尻を刺激するだけ。
だって、魔法の道具であるこの器具は、入れた人じゃなきゃ取れないんだもの。
それを知らない芳佳ちゃんは無駄な努力を繰り返す。
引っ張っては突き上げてくる快感に弛緩して手を離し、上手く掴めずもがいて喘ぎ、再び掴んで引っ張って……。
いつしか快感の波に飲まれてしまった芳佳ちゃんは、珠を掴んだ右手をやわやわと押したり引いたりを繰り返すようになっている。
完全に胸に顔を埋めて俯いてるからその表情は見えないけれど、端の方まで真っ赤にしてる耳からは簡単に想像できる。
気持ちいいっていうことを受け入れることで、私を理解してもらおうと思ってた。
昨日の夜のクリトリスの弄り合いでわかってくれたかなって思っていたんだけれど、頑固な芳佳ちゃんはまだ『こちら側』へは来てくれそうになかった。
でも、今ならきっとだいぶ『こちら側』に近づいているんじゃないかな。
だから、ちょっと一押ししてみる。
「芳佳ちゃん、自分でお尻の穴弄るの気持ちいい?」
「!」
ハッとなって胸の谷間から驚いた表情で私を見上げる。
私は「いいんだよ」と言いながらその頭を左手撫で上げ、右手をお尻に添えられたままの芳佳ちゃんの右手の上にかぶせる。
案の定芳佳ちゃんはソコから手を離そうとしていたけれど、予め予想していた私によって阻まれる。
「リーネちゃん!?」
「やめちゃ駄目。それに、こうやってゆっくりと回したり押したり引っ張ったりしているうちに緩んでちゃんとぬけるかもしれないよ」
言いながらその様に手を動かす。
きっと芳佳ちゃん自身よりもその気持ちいい部分の事を良くわかってる私は、芳佳ちゃんの稚拙な一人えっちよりも的確にその急所を責め上げて快感を引き出す。
「ひあぁぁぁんっ! だっだめだよぉ、ああっ! ああん! おしりっ……だめぇっ!」
「駄目じゃないよ。すごくいいんだよ」
いやだって口では言いながら、重ねられた右手の抵抗は小さいし私から離れようとしない。
むしろぎゅっと胸に顔を押し付けてくるぐらい。
気持ちいい事から逃げられなくて、でもそんな快感に蕩けた顔を人に見られるのが恥ずかしくて顔だけを隠してどうしていいかわからない。
そんな状態なんだね、きっと。
そんな様子を悟った私は一旦力を抜いて手の動きを止める。
力抜けていた芳佳ちゃんの右手が私のてのひらからするりと零れ、お尻からの刺激が途絶えた芳佳ちゃんは、わたしの胸から顔を離し怪訝そうな視線を向けてくる。
途中で止められて、お預けを食らったワンちゃんの切なげな瞳がそこにはあって、そんな芳佳ちゃんの反応一つ一つに胸を高鳴らせる私がいる。
「ほら……抜けるよ」
「ふあっ……んん……」
左手でそっと背中を抱いて、優しく優しく珠に触れ、ゆっくりとそれを引き出していく。
右手に感じる抵抗感の上昇と、一瞬間を置いた後の弛緩。
その感触に合わせて至近距離で展開される表情の一瞬の緊張、そして安堵。
「はぁ……」
「ね、ぬけるでしょ」
「はぁ、はぁ、うん……ありがとう。リーネちゃん」
「じゃ、次は途中までするから、次は自分で頑張ってみてね」
「え?」
返事を待たずに右手を動かす。
少しづつ、少しづつ引いて、抵抗が強くなった所で手を離す。
力加減はバッチリで、今芳佳ちゃんのそこは珠の一番太い所によって広げられたまま止まっているはず。
不思議な力で出す方向には私でないと動かないようになっているからここから先は芳佳ちゃんがどんなに努力してもただ気持ちよくなるだけ。
真実は秘密のまま、体の横に垂れ下がっていた芳佳ちゃんの手を取ってお尻から飛び出ている珠へと宛がい、私と芳佳ちゃんのお汁でぬるぬるになったその器具を掴ませる。
「んっ! ん……く……き、つい……よぉ……」
「頑張って、芳佳ちゃん。辛くないように、応援してあげるね……ちゅ」
応援のキス。努力してる芳佳ちゃんを見てるのは大好きだから、それが一秒でも長く続いてくれるように祈りをこめた、私の心からのくちづけ。
私からは唇で触れるだけだったのに、芳佳ちゃんは僅かに唇を開いて舌を突き出してくる。
芳佳ちゃんからディープキスを求めてくれた!
今のその動きが単なる偶然でしかなかったとしても、わたしの事を喜ばせるには十分な行為で、だから私も舌を伸ばし、差し入れ、積極的に絡ませることにした。
そうやって濃厚に口の粘膜を楽しむと同時に両手をお尻に這わせ、いっぱいいっぱいまで広がったその穴の淵、珠と粘膜の境目をゆっくりとなぞりあげる。
柔らかくて吸い付くようで、うっとりするようなステキな感触。
「んんんっ!」
芳佳ちゃんは大げさな反応を返すと、珠を押し込んでしまった。
当たり前だよね、自分では奥に押し込む方向へしか動かせないんだから。
でも、本当に優しく触っただけなのにとっても敏感になってるんだね。
「リ……ネ、……んむぅ」
「ん……」
芳佳ちゃんは口を離して何か言おうとしたけどもう、一度その唇を塞いで改めて器具に手をかける。
ちょっと強めに引いて次の珠、その次の珠、さらに次の珠まで一気に引き出す。
「んむむぅっ!!!」
唇に直接伝わる喘ぎを味わいながら、今度は珠を押し込んでいく。
一つ、二つ、三つ……そして四つ。
振り出しに戻る、だね。
「んんんんんんんんんんんぅっ!!! んはぁっ! あああっ! おしりっ! おしりっ! おなかっ! きついよ……あついよぉ……」
「大丈夫? 芳佳ちゃん」
口を離し、芳佳ちゃんのその身を案じる言葉を口にする私。
私が自身その悲鳴と苦痛の原因を作っていると言うのに、私の中の言葉にも想いにも嘘偽りはなくて、ただただ芳佳ちゃんが愛おしくてたまらない、心配でたまらないからその名を口にする。
そっか、考えてみれば今だけじゃなくて色々矛盾しているんだよね、私。
皆の為にがんばる芳佳ちゃんの姿が好きなのに、こんな所に閉じ込めて私だけを見つめて欲しいって思っているし、芳佳ちゃんに私の知ってる悦びをいっぱい教えてあげようと思っているのに、わたしが芳佳ちゃんから色んなことをして欲しい。
もしかして、私はおかしくなっちゃってるのかな?
でも……でも、こんなにも近くに芳佳ちゃんがいて、その全てを感じられる今を手放したくないよ。
「芳佳ちゃん……ねぇ、芳佳ちゃん」
「や……だぁ……いや、だよぉ……リーネちゃん……もう……もぅひどい事しないで……たす、けて……よぉ」
ああ……芳佳ちゃんも矛盾してる。
私がこうして芳佳ちゃんに色んな行為をして、私が追い詰めているって言うのに、きっと芳佳ちゃんだってそれを解っているはずなのに、そもそもの元凶の私に救いを求めてる。
もう一つ、なんとなく解ってしまったことがある。
芳佳ちゃんは変わってない。初めと同じで、私とのえっちな行為を心から求めてくれてない。
ずっとずっとすれ違ったままじゃきっと二人が一番気持ちいい場所にたどり着けない。
お互いの心が結びつくからこそ、肉体の悦びが心の喜びに昇華するんだから。
そうして、心の奥底でどこか冷静に現状を見つめ、分析するように眺めながらも、一番外側のわたしはただ芳佳ちゃんを求め続ける。
「芳佳ちゃんが……、芳佳ちゃんが余りにも可愛くて魅力的だからいけないんだよ」
「リーネちゃん?」
足腰に力が入らなくて今にも崩れそうな芳佳ちゃんの身体を抱きしめて支え、0距離の会話を継続させる。
「部隊のみんなはきっとすぐに私たちを見つけちゃうよ。近いうちに、いつかその日が来ちゃう。だからせめて今ここにいる間だけでも私だけのモノになって欲しいの」
「そんな……わたしは物じゃないよ……」
涙目でいやいやしながら否定する芳佳ちゃん。
私だって芳佳ちゃんの事を物だなんて思っていないよ。
だって、ただの物だったらこんなに温かかったり、柔らかかったり、潤っていたりしないでしょ。
芳佳ちゃんは芳佳ちゃんだから、こんなに可愛くて愛しいんだよ。
でも、上手く説明する事ができない。
もしかしたら、上手く説明のできる言葉があれば直接行動で思いをぶつけるような行為に頼らずに近づけたのかな?
「こんなにわたしは思ってるから、だからお願い」
「いや、だよ……そんなのイヤ! 早くお尻のも抜いてよ……」
思いを伝える言葉がないから、身体で理解してもらう為にいろんな事をした。
それでも解ってくれないなんて、じゃあ私はどうしたらいいんだろう?
ノートに書いてあった色んな事はもっと過激な内容まであったから、芳佳ちゃんがわたしの事をちゃんと解ってくれるまでそれをなぞろうと思っていたけれど、私……本心から嫌がっている芳佳ちゃんに無理矢理し続けることなんてできないよ。
私がされたらイヤじゃない、それどころか芳佳ちゃんからして貰えたら泣いて悦んでしまうような行為の数々。
きっと途中から芳佳ちゃんも解ってくれて二人で楽しみながらできると思っていた色んなえっちなコト。
上手く伝えられないのがもどかしくて、だから稚拙な言葉で懇願を重ねることしかできなくて、通じない事を漠然と感じながらもただ言葉を紡ぐ。
「芳佳ちゃんが私のモノでいてくれる間は、私も芳佳ちゃんのモノだよ。私が気持ちよくして、私を気持ちよくしてくれる、私だけのカワイイ芳佳ちゃんでいて……ね、おねがい」
芳佳ちゃんがわたしの胸に顔を埋めた。
でも、そこに悦びはなかった。ただ、私から顔を伏せるのに都合がいい場所へと動かしただけ。
嬉しそうに照れながら、それでいて本当はしちゃいけないんだって心の奥底で思っているから恥ずかしそうに、無遠慮でいてどこか遠慮がちな、芳佳ちゃんがおっぱいに接する時のいつもの態度が、そこにはなかった。
伏せるべくして伏せた場所が、たまたま私の胸だった。
そんな気配を理解してしまって、心の中が真っ暗になっていく。
「今は、皆の事も、戦争の事も、みんなみんな忘れて、二人だけの世界にいようよ」
それでも、私は言葉を止められない。
暴走した何かが止まる方法は少ない。
全ての力を失うか、どこかに衝突するか、二つに一つなんだって思う。
「ね、芳佳ちゃん」
今回の私の場合は後者だった。
「そんなの……そんなの駄目だよ……リーネちゃんの……リーネちゃんのわからず屋!!!」
そう叫んで力を振り絞った芳佳ちゃんに突き飛ばされた。
今は責めを手加減するつもりでいた私は魔法を使っていなかったし、何よりもその剣幕に驚いた私はいとも簡単に弾かれ、よろける。
よろけた先には道具箱があってバランスを崩し、私は虚空に手がかりを求めて手を伸ばした。
確かに手は何かを掴むことはできたけど、それは吊り下げ用のチェーンで、使うつもりのなかったそれは中途半端な状態のまま固定もされずに放置されていただけだった。
結局チェーンは私に引かれるがままに伸びて私は倒れ、そこから致命的な事態を引き起こした。
私の上にあった滑車とフックが、固定が甘かったのかその拍子に落下してきたのだ。
驚きに目を見びらいたスローモーションの視界の中で、鋼鉄製の重量物がわたしの胸を直撃して、その衝撃で私は意識を失った。