~お仕置き~リーネ編
あれ?エイラさんとサーニャちゃん、朝ごはんいらないのかな?
エイラさんが微笑んでるけど、目が笑ってない。
サーニャちゃん寝てなさそうだし、今から二度寝でもするのかな。
取りあえず二人分の朝食を別に取り分けておこう。
~お仕置き~リーネ編
朝食後の訓練も終わり、当番の洗濯物もすべて干した。
ネウロイも暫く来ないだろうし、午後は自由時間だ。何しようかな…
あ、そういえばリーネちゃんに呼ばれているんだっけ。
リーネちゃんの部屋に向かう途中、生気の無いエイラさんに会った。
「あれ?エイラさん、もう起きたんですか?サーニャちゃんは?」
「あぁ…ミヤフジか…サーニャはまだ寝てるヨ。しかしその様子だと…まだ、なんだナ…」
「??何の話ですか?て言うか、大丈夫ですか?!体調悪いなら医務室に行った方が…」
「アァ…いや、大丈夫ダ。取りあえず先に謝っとくヨ、今回は全部私の責任ダ。ゴメンナ………あ、でも
洗濯当番代わるのとかは勘弁ナ。私はモウ、色々と限界なんダ…」
そう言うとエイラさんはおぼつかない足取りでフラフラと去って行った。
本当に大丈夫かな…
エイラさんも心配だけど、リーネちゃんを大分待たせているから足早にその場を後にする。
体調管理も仕事の内だし、本人が大丈夫だと言うのなら大丈夫なんだろう。
気を取り直してリーネちゃんの部屋に向かった。
☆
コンコン
「リーネちゃん?私。芳佳だけど…」
「芳佳ちゃん?開いてるから入ってきて。今手が放せないの」
「わかった。お邪魔しまーす」
扉を開くと、リーネちゃんは私に背を向けてベッドの上で何かガチャガチャと作業をしていた。
まだお昼を過ぎた頃だから明るいはずなのに、なんだか部屋が薄暗い。
リーネちゃんの部屋、こんなに日差し悪かったっけ?
そんなことを思いながらリーネちゃんに近付く。
「リーネちゃん、ごめんね、大分待ったでしょ?」
「大丈夫。私もちょうど今終ったところだから」
笑顔で振り向くリーネちゃん。何の作業をしていたのか気になって、覗き込もうとしたその時、
ズイッと視界にリーネちゃんが入ってきた。
「ねぇ芳佳ちゃん。昨日、エイラさんと何してたの?」
「え…?一緒に寝ただけだよ…?」
「本当に?」
「う、うん…」
笑顔だけど何だか怖い。もしかしてリーネちゃん、怒ってる…?
「私何も知らないんだけど。どうして一緒に寝たのかなぁ…?」
「そ、それは…」
「…言えない?」
い、言えない。作り話に本気で怖がって、エイラさんの部屋に潜り込んだなんて。
今思うと子供じみてて恥ずかしい。
「ごっごめん!ちょっと恥ずかしい理由だから、また今度って事で…駄目、かなぁ?」
「恥ずかしい理由?」
「う、うん…ちょっと人には言えないような…」
苦笑しながら答えたら、急に視界が反転した。
それに続きガチャリ、ガチャリと金属質な音。
私の上にリーネちゃんが乗っかっている。お、おっぱいが…!目の前にっ!!
無意識に手を伸ばすけど、一定の所まで来ると金属音と共に自由が利かなくなった。
あれ、何で…?
よく見ると両手が手錠に繋がれている。それがベッドの両足に繋がっていて…
私は万歳をする姿勢で固定されて居た。
「リ、リーネちゃん?!これは一体…」
「芳佳ちゃんが言いたくないなら、言わなくても良いけど…私は気になるな……エイラさんと
ナニをしていたのか…」
リ、リーネちゃんの様子がおかしい!
やっと事態の異変に気付いたけど、時既に遅し。
私は逃げられずにベッドの上でもがくだけ。そんな私を、笑ってない笑顔で見下ろすリーネちゃん。
こ、怖い…
頬にリーネちゃんの手が触れる。それだけの事なのに、体が大げさに跳ねた。
「芳佳ちゃん、可愛い……ねぇ、エイラさんと何してたの…?」
「な、何もしてないよ!本当に、一緒に寝てただけだからっ……あっ」
頬に当てた手を首筋にやられて変な声がでた。恥ずかしい。
「本当に何もないの…?じゃあ今朝言ってた事は何?」
「けっ今朝?……はっ……あぁっ!…やっ嫌だ……リーネちゃっ」
首筋を触れるか触れないかの感覚でなぞられる。くすぐったいし、恥ずかしいしで多分真っ赤になってる。
「そう、今朝。覚えてない?芳佳ちゃん、エイラさんに激しいとか、腰は痛くないかとか、聞いてたじゃない」
私の首筋をゆるゆるとなぞりながら、そんな事を言ってくるリーネちゃん。
もしかして、勘違いしてる…?
「ちっ、違うの…っん…あれはエイラさんが…っあ」
「エイラさんが誘ってきたの?」
「違うっ…んぅ…最後まで…聞いてっ、はっ…わ、私の寝相でっ…エイラさんが…ベッドから落ちなかったか
心配だった…からっ…あはぁっ」
「…そう。じゃあエイラさんは関係ないのね……それじゃあどうして私の部屋に来なかったの?」
「そっ…れは…もう寝てると…思ってたからぁっ!」
「そう。私の事を思ってしてくれた事だったのね…優しいね、芳佳ちゃん。……でもやっぱり許せない」
ゆるせ…ない…?
にっこりと微笑むリーネちゃん。首筋から手を離されたけど、変な体力を使ってヘトヘトになった私は
その言葉も理解できずにうつろな目で彼女を見上げていた。
ふいに視界がリーネちゃんで一杯になった。
唇に柔らかい感触。あれ?もしかしなくてもこれは…
キス されていた。
「ふぅんっ……っは…リ…ネちゃっ…」
舌を入れられ、激しく犯される。事態が把握できない私が目を見開いたままでいると、
ふいにリーネちゃんと目が合った。それと同時にリーネちゃんの唾液が伝って私の口内に浸入してくる。
口を塞がれていて、呼吸が出来ない私はこくこくと喉を鳴らしてそれを飲むしかない。
「んっ!……んぅ…んむっ…………ぷはッ…はぁっはぁ…」
全て飲み終えると、やっと口を話してくれた。
「ふふっ。芳佳ちゃん全部飲んだんだね。偉い偉い」
嬉しそうに笑いながら言うリーネちゃん。
「っはぁ…リーネちゃん…どうしてこんな…」
「これはお仕置きなんだよ。芳佳ちゃん」
「お、お仕置き?」
「そう。きっとエイラさんはサーニャちゃんにお仕置きされてると思うよ」
「ど、どうしてお仕置きなんて…」
「あれ?芳佳ちゃん、まだ分ってなかったんだ…じゃあ分るまでお仕置きしちゃおうかな♪」
そう言うと今度は制服をたくし上げて、スーツの上からわき腹をなぞられる。
「ふっ……あぁっ!リーネちゃっ…変な声でちゃうっ…から…っは、やめ…」
「止めないよ?芳佳ちゃんが気付いてくれるまで」
その笑顔は、私が大好きなリーネちゃんの笑顔に違いないんだけど、ネウロイの瘴気のような物
を纏っていた。
☆
結局、私が気付けたのは夕方頃。それも晩ご飯の準備があるからと、リーネちゃんがヒントを出して
くれてやっと気付いたのだった。
それまでに何回気を失いかけたか…
手錠を外して貰い、「芳佳ちゃんは疲れてるだろうから、今日は私一人で準備するね。少し寝てても構わないよ?」
と、軽やかにスキップしながら食堂に向かうリーネちゃんを見送り、エイラさんの言葉を思い出してため息を付いた。
いつまでもベッドの上でぐったりしてる訳にもいかない。
一人ですると言っても相当な量だから、私も手伝わないと。
そう思って立ち上がったけど、腰がだるくて上手く歩けない。
壁に手をついて歩いていたら後ろから声をかけられた。
「ミ、ミヤフジ…」
「…あ、エイラさん……」
「その様子だト、お前モ…」
「えぇ…まぁ…」
力なく笑ってみせる。
「ごめんナ。元はと言えば私があんな話をしたから…」
「だっ大丈夫ですよ!そんな顔しないで下さい!!私も軽率だったんだし!お互い様って事で」
「あぁ…そう言って貰えると助かるヨ…」
「え、えへへへ…」
「ハハ、ハハハ…」
「「……………はぁ……」」
リーネちゃんには言えないけど、エイラさんとは少し、いや、かなり分かり合える気がした。
fin
おまけ
夕方、食堂にて
トントントン…
「あ、サーニャちゃん、おはよう。今日は起きるの早いね」
「リーネさん、お早う御座います…昨日はエイラが色々とご迷惑かけたみたいで…ごめんなさい」
「大丈夫だよ。簡単に部屋に行っちゃった芳佳ちゃんも悪いんだから」
「エイラにはちゃんと言って聞かせましたから」
「うん。ありがとう。私も芳佳ちゃんに言っておいたから」
「そうですか…お互い、大変ですね……あ、手伝います」
「ありがとう。じゃあ、こっちのスープをお願いできるかな?」
「はい」
それをこっそり入り口から盗み見るエイラと芳佳
「何話してるんでしょうね…?」
「ワカンネェ…でも今行ったら絶対危ない気がスル」
「わ、私もそんな気がします…!」
「…ウジャー!いい匂~い!!あれ?エイラとヨシカ。そんなところでナニしてんの?」
「「……っ!!!!!」」
おわる