be together
ハ~イ今夜も「STRIKE TALKING RADIO」始まりマシタ~。
DJ兼MC、パーソナリティのエイラ・イルマタル・ユーティライネンでス。皆聴いてるカナ?
この番組ハ、サーニャのレーダー魔導針を通しテ、全世界の悩めるウィッチに秘密のラジオとしてお伝えしているンダナ。
夜間哨戒のついでじゃないカラナ?
そうそウ、今夜は勝手に付いてき…いやこっちの話! ステキなゲストをお招きしてるんだゾ!
今夜のスペシャルゲスト、501JSF「STRIKE WITCHES」隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐デス! 拍手ゥ!
ぱちぱちぱちぱち~
「こんばんは。突然お邪魔してごめんなさいね。でも、良いのかしら私が出て」
「人が多い方が、楽しいと思います。番組の刺激にもなるし」
「ありがとう、サーニャさん」
「いえ。ミーナ隊長の歌も皆聴きたがってると思います」
「嬉しいわ」
ホント、ありがとナンダナ、ミーナ中佐。
早速だけど今回の出演について、何か言いたい事とか伝えたい事とか、有るカナ?
「坂本少佐は私のですから」
「……」
いきなりの独占宣言なんだナ。ちょっと冷や汗出て来たゾ。
「ロマーニャの504JSFの方で何やら動きが……」
「美緒は私のですから」
ミーナ中佐も何度も言わなくて良いカラ! しかも何でそんな凛々しい顔で言うンダ?
「大切な事なので二回言いました」
ハア……まあ、いいやモウ。
ともかく今日もお便り来てるゾ。気を取り直してと言うか、読ませて貰うゾ。
今夜はミーナ中佐も居るシ、みんなで色々話が出来ると思うゾ。
まず一通目。おッ、これは扶桑からのお便りっぽいナ。ラジオネーム「扶桑の魔女」さん。
『こんばんは。エイラさん聞いて下さいよ。
私の彼女、私の変化に全然気付いてくれないんです……。
髪型を変えても、彼女から貰ったハンカチを持ってても、何も言ってくれないんです。
私に興味がないの? とか思ってしまいます。 どうしたらもっと気付くようになってくれますか?
エイラさんはそんなことないですよね?』
私は勿論、観察眼バッチリだからナ。例えば人の胸……いやそれはともかく、サーニャの事なら何でも分かるゾ。
……サーニャ、顔赤いケド?
「エイラの、ばか」
ウッ……何か変な事言ったカ? このお便リ、ミーナ中佐はどう思うカナ?
「そうねぇ……努めて気付く様にしている、かしら。
部隊の指揮官だから、戦闘の支障にならぬ様、部下のコンディションとかメンタル面での問題には特に……」
ミーナ中佐、ちょっと違うンダナ。恋人の事についてなんだけド。
「あらごめんなさいね。恋人ねえ……結局は同じかしら。極力変化は見逃さない様に気を遣ってるわ」
流石はミーナ中佐。任務でもプライベートでも完璧ダナ。改めて尊敬しちゃうゾ。
「でも気付きにくい変化も有るでしょ? そこは難しいわよね」
ああそれ分かるミーナ中佐! 確かにそうダヨナ~。
例えば「髪の毛切った」とか言われても1cmとかだと分からない事多いシ……
その時のフォローと言ったら……イヤ、何でもナイ。
「どうしたの、エイラさん、サーニャさん。二人して妙な雰囲気になってるけど」
全っ然大丈夫だからナ! 気のせい、気のせいダ!
「お気になさらず」
「あら……。まあ、さっきのお手紙だけど、もしかしたら相手の人が無頓着だったり、
ちょっと鈍かったりとか色々有るだろうから、
その辺は相手の性格を見極めて、自分の方で柔軟に対応していくのが良いんじゃないかしら」
フォローありがとナ、ミーナ中佐。
確かに、相手の性格によるものだとしたらちょっと難しいと思ウ。
「あとは、そう言うのを言うのが恥ずかしい年頃だったり。言いたくても言えない、みたいな感じかしら?」
なるほド。やっぱりミーナ中佐はスゴいナ、相手への配慮と言葉に重みが有るゾ。
「あ、あら? 貴方達と歳はそんなに変わらないと思うんだけど……ねぇ……ふう」
エ? トシの話はしてないゾ? ミーナ中佐いきなりどうしたンダ?
とととりあえず、ここで「サーニャのうた」ドウゾ~。
さて、一曲聴いて和んだところで次のお便り行くゾ。二通目、ラジオネーム「姉」さん。
なんか直球過ぎるけどまあイイヤ。
『この戦いが終わったら彼女と結婚する予定ですが、彼女の家族と上手くやっていく秘訣を教えて下さい』
ストレート過ぎる質問ダゾ。しかも微妙にフラグ……まあイイヤ。
ミーナ中佐は「姉」さんについて何かアドバイスあるカナ?
「いつも笑顔で、明るく振舞うといいわ。あと相手のご家族を思いやって馴染む事ね」
実に的確なアドバイスなんダナ。
私も同じ意見ダナ~。やっぱり笑顔で明るくってのは、良いと思うゾ。
「私もそう思います」
サーニャもそう思ウ? そうダ、サーニャのご家族に会った時は私モ頑張るゾ!
「よろしくね」
笑顔がステキだナ~、サーニャ。絶っ対に私がサーニャとご家族を再会させてあげるゾ。一緒にオラーシャ中を探そウ。
「嬉しい、エイラ」
「サーニャさんのご家族は遠くに疎開されてるそうだけど、きっと大丈夫よ」
ミーナ中佐もそう思ウ? 何か凄い安心感というかそんな気がするゾ。
さて最後。ラジオネーム「超音速ウィッチ」さん。
『私には好きな人がいます。
でも、私から一度軽くほっぺにキスをしただけで、その後は何も無いんです! 何も!
彼女は「私はそんな軽い女じゃない!」って言ってるんですけど、
私は好きなんだし、キスくらいしてもいいですねよ?
エイラさん、どうしたらいいんでしょうか?』
これハ……相手と両思いなのかそれとも「超音速ウィッチ」さんの片思いなのかによって答えが違って来るゾ。
片思いだと激しくセクハラになる危険も有るシ……難しいナ。
「難しいと言うか、デリケートな問題ね」
ミーナ中佐もやっぱそう思ウ? ウーム、困ったナア。じゃあ、両方のケースを想定して答えていこウ。
「片思いなら、少しずつ焦らずいけば良いと思う」
サーニャの意見に賛成ダナ。片思いの場合、確かに相手の事考えずに先走り過ぎは良くないカモ。
では次に「相手とは両思い」と仮定して、ズバリ、言わせて貰うゾ。
「超音速ウィッチ」さん、触ればキス出来るゾ!
「えっ!? エイラ、どこを触るの?」
あそこに決まってるダロ? ……あ、あれ、何この空気? サーニャもミーナ中佐も何を想像してるンダ?
「エイラさん……」
ご、誤解してないカ、ふたりしテ?
「違うの?」
まさか私達、考えてる事が違ウ? じゃあどこ触るか「せーの!」で皆で言ってみヨウ。
せーの!
「口!」
「(検閲)!」
手!
……二人揃ってカゲキだナ。多分片方は放送出来ないと思うゾ。
てか二人とモ、口だのアソコだのに触ってどうやってキスするンダヨ?
手だよ手! 手を触れば良いんダヨ! 手を握っていけば自然とキスに行くと思う……んだけどナア。
……ナ、ナンダヨ?
ふたりして私をそんな目で見んナー!
「でもあれよね。それくらいの年頃って言うか、有るかもね。好き過ぎて触れられないってのがあるのよ。
「超音速ウィッチ」さんの相手がどうかは分からないけど、ね」
「ミーナ隊長、綺麗にまとめましたね」
まともな事言ったつもりなのに何だか私が惨めな気分ダゾ……。
さて、そろそろ時間になったので、最後にゲストのミーナ中佐から一言頂きまス。
ミーナ中佐、どうゾ~。
「各地の戦闘は激しさを増す一方だけど、皆さん、決して諦めないで。
いつか必ず希望は来ます。信じて、いつか平和が来るその時まで、頑張って。
あと、たまには息抜きも忘れずにね。このラジオが少しでも皆さんの息抜きになれば良いと思うわ。
エイラさん、サーニャさんも、頑張ってね」
すんごい有り難い励ましなんだナ。嬉しいし、頼もしいゾ、ミーナ中佐。
「あと、美緒は私のですから」
それは蛇足ダ! て言うか最後で台無しダァ~!
「でも楽しかったです」
「私も楽しかったわ。ありがとう。また呼んでね♪」
こ、考慮しときマス……。
では今夜はこの辺で。
最後に、ゲストのミーナ中佐の「リリー・マルレーン」を聴きながらお別れデス。
end