貴方は優しいから

誰にでも優しいから、時々私を不安にさせる

貴方の国の「 優 」という言葉は

人の憂いを無くすという意味なのかもしれないけど

私にとっては時に貴方という人は憂いのタネとなる

そんな思いを私は彼女にぶつけてみた

「ねぇ、美緒」

「ん? どうかしたかミーナ?」

「貴方の国に、優っていう文字があるでしょ」

私は空中にその文字を指で記す

「あれは、人の憂いを無くすっていう意味だけじゃなくて、人を憂いさせるという意味もないかしら?」

「はっはっはっは」

彼女の突然の笑い声に私の目は丸くなる

「おいおいミーナ、両方共違うぞ、優という字は、しなやかな人という意味だ」

「あっ、あらそうなの?」

私の顔は思わず熱を帯びる

「まぁ、そういう意味ではミーナが一番似合うかもしれないな、扶桑では役者の事を女優や俳優と言うのだし」

その嬉しい言葉に私が顔を上げようとすると

「だが、ミーナもまだまだだな、もう少し扶桑の言葉について勉強をしないと、はっはっはっは」

ちょっとだけの恥ずかしさから私は口元を突き出しながらまた地面の方を向いた

最初の言葉を訂正しようと思う

貴方は私にだけは少しイジワルなのかもしれない


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