easy come easy go
ハ~イ今夜も「STRIKE TALKING RADIO」始まりマシタ~。
DJ兼MC、パーソナリティのエイラ・イルマタル・ユーティライネンでス。皆聴いてるカナ?
この番組ハ、サーニャのレーダー魔導針を通しテ、全世界の悩めるウィッチに秘密のラジオとしてお伝えしているンダナ。
夜間哨戒のついでじゃないカラナ?
さて今夜は……そう、年末スペシャル! クリスマスも終わってもうすぐ新年だからナ。
早いよなサーニャ、一年過ぎるのっテ。
「えっ? まだ私達って……」
わああそれは言わない約束なんだナ。私達は永遠の十五歳と十四歳なんだゾ。
「そうそう、私だって十五歳だよ。なあイッル?」
さて、では最初のお便り、ラジオネーム……
「こらあ無視すんなイッル! せっかくランデブー出来たのに何でガン無視なんだよ!?」
……
「……」
「な、何だよ二人揃ってその目は? せめて私の紹介くらいしろよ!」
じゃあとりあえず紹介~。ホント勝手に付いてきた……いや「ついてない」カタヤイネンこと
スオムス空軍飛行24戦隊曹長、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンだナ。
拍手は要らないゾ。
「酷いな! 501のヴィルケ中佐の時と対応違い過ぎだろ! もっと何か無いのかよ?」
無いナ。
「冷淡過ぎだろ!」
「初めましてカタヤイネンさん。私はサーニャ・V・リトヴャク中尉です」
「あ、どうも。イッルが随分と世話になってるみたいで」
おいニパ、適当に喋るの止めてくれないカ? 誤解されてすっごく困ってるんだ、私ガ。
「困るって、ありのまま話しただけじゃんか」
「ありのまま? それ、詳しく教えてくれませんか?」
「ああ良いよ。私とイッルはスオムスで同僚でさ」
「なるほど。それで?」
「何から話すかな。そうだ、軽くサウナの事話そうか。あれは熱い夜だった。私とイッルはサウナの中で肌を寄せ合っ……」
(MG42の射撃音)
(フリーガーハマーのバックブラスト音)
さて、静かになった所で最初のお便り。ラジオネーム「がんばるウィッチ」さん。所属はNG。
『私には彼女がいません。どうして彼女ができないんだろうと思って同僚に聞いたら
みんなから「アンタには隙が全然ないから」だと言われました。
エイラさん、どうしたら隙を作ることができますか? 教えてください』
「がんばるウィッチ」さん、ズバリ言ってもいいカナ?
どうしたら隙が作れるかって言ってる時点で隙がないゾ!
「隙がないって、どんなひとなんだろうね、エイラ」
ホントだよナ。でもたま~にこういうウィッチいるヨナ。完璧過ぎて隙のないひと。
そういう人は『隙を作る』のは無理ダナ。隙のないところを好きになってくれる人を見つけなきゃダメダゾ。
「そう言えばエイラも隙がないよね? 戦闘に限ってだけど」
ま、まあ戦闘に限ってはそうだナ。自分で言うのも何だけど相手の攻撃を先読み出来るから
ネウロイの攻撃は絶対当たらないんダゾ。この能力でサーニャを守るゾ。
「エイラ……有り難う」
そんなサーニャの笑顔がたまらなイ……。
「でもエイラ、そう言う時は隙だらけだよね?」
サーニャがそんな笑顔するからダロ……。照れるじゃないカ。
「エイラったら……」
「こらあ! なに二人でいい雰囲気になってんだ!」
あれニパ、いつの間に戻って来たンダ?
「いきなり銃撃してくるなんて酷いぞ! 危うく墜落死するとこだったじゃないか!
そういえばなんかロケット砲みたいなのも飛んで来た気がするんだけど……痛ぇよ」
気のせいダナ。その証拠にピンピンしてるじゃないカ。
「何が証拠だっ! それにこれは超回復能力のお陰だ」
「ホント。エイラの言う通り面白いね」
「それかっ! リトヴャク中尉のフリーガーハマーか! 冗談でもそれ止めて、痛いから……。
てか笑顔で砲口向けないで! 私が一体何をしたんだっ!?」
“口は災いの元”ってどっかの諺で聞いた事有るゾ。ニパも気を付けろヨ。
「何だよそれ……」
さて今日最後のお便り。ラジオネーム匿名希望、所属も伏せて下さい、と。
今日は匿名とか多いナ。まあ良いけド。
『エイラさん、サウナって何をする所なんですか?
彼女がよくサウナに行くので一体どんなところか知りたいんですが、
なんかとっても身体につら~い場所らしくて、どうも一歩踏み出せません。
でも今更聞くに聞けないし……。
サウナって一体何をするとこなのか知らないウィッチは多いと思います。教えてください!』
サウナの事知らないウィッチって多いのカナ? 北欧やオラーシャのウィッチなら誰でも知ってると思うケド。
まあズバリ、言ってもいいカナ?
「サウナはってのはなぁ、凄いことをするとこなんだぜ!」
(MG42の射撃音)
(フリーガーハマーのバックブラスト音)
ニパの冗談はさておいて……
「こらあ! だから何度も銃撃するなって! 私の超回復能力にも限度があるんだ!
つーかフリーガーハマー三発も撃ちやがって! リトヴャク中尉も何の恨みが有って……」
「うふふ、別に?」
「……その笑顔、なんかこえーよ」
ニパもそう思う? 私もたまにそう思う時が有ル……
「エイラ、何か言った?」
いや何にモ。
しかしニパも冗談が過ぎるゾ。ニパが行くサウナは何か別モノに聞こえるゾ?
「え? 何? どう言う事だよ?」
ホホゥ、ニパは何か変なこと想像してるナ? サウナな何をするとこか、ニパと私で「せーの」で同時に言ってミヨウ。
せーの!
「(検閲)……」
裸で入って汗を流すんダゾ。
「イッルの馬鹿ーっ!」
ニパがおかし過ぎるんダロ……。てかこれも放送出来ないゾ。
サウナはスオムス発祥とされる蒸し風呂で、裸で入って汗を流すンダゾ。
白樺の葉で身体を叩くとマッサージ効果も有って気持ちイイゾ。で、後は汗を流しに川へ行くも良し、水をかぶるもヨシ。
501にはサウナが有って、私やサーニャがよく使うゾ。宮藤をサウナに連れてった時はリアクションが面白かったナ。
「エイラ、でもその後……」
いやあれはその……
「な、何が有ったんだイッル! 教えろよ!」
イヤダネ。
「ちくしょー! 二人して何か含み笑いしやがって!」
「エイラ、本当に面白い人ね、カタヤイネンさんって」
ダロ? からかい甲斐が有るから面白いヨナ。
「ふざけんなー! どつき漫才じゃねーっ!」
さテ、ではそろそろお時間となりましタ、今夜はこの辺で。
最後に、「サーニャのうた」を聴きながらお別れデス。
end