無題
オラーシャ平原。
「見て見てトゥルーデ!凄いよ!凄いよ!何処までも地平線が
続いてるよ。」
シベリア鉄道を驀進している軍用列車の貨車の扉からエーリカが
身を乗り出しながら叫んでいる。
「そりゃオラーシャだからな。それよりエーリカ寒いから扉を閉めないか!」
「あ!少女だ!少女が乾布摩擦してる!」
「何だと!?」
バルクホルンが立ち上がるとエーリカが大笑いしながら
「嘘だよん~!だいたいこんな所で乾布摩擦なんかしたら死んじゃうよ」
「お前!なんて事言うんだ!」
バルクホルンが声を荒げる。
「エーリカ閉めろ!」
エーリカはしぶしぶ扉をしめた。
バルクホルンはエーリカに向かって文句を言い始める。
「大体こんな目に合うのは誰のせいだと思ってるんだ。お前がカールスラント・
スポーツの街頭淫タビューに顔出しで出たから、大体何が体験人数ひみつだ?
貴様!規律あるカールスラント軍人にあるまじき行為だ!」
エーリカは貨車の隅に置かれたストーブに当たりながら答えた。
「え~でも適当な事言っただけで、お金くれたし、それにトゥルーデもカルスポ
こっそり買って読んでるし、ボク知ってるんダナ。」
「それにトゥルーデもお呼ばれした小学校で、興奮して、少女にセクハラ?
いや?イタズラしたじゃん。」
バルクホルンは真っ赤になりながら否定し始める。
「違う!あれはわたしが、彼女たちに少しだけ愛を差し出しただけなのだ!」
エーリカは薄笑いを浮かべながら、更に痛い所を突いてきた。
「え~でも被害にあった女の子達て、怖いおねーさんにエロい事
されて、写真撮られたて言ってるて聞いたよ。」
「何を言う!違う!違う!わたしは~芸術的な何だ?成長記録を・百合が・妹が・」
バルクホルンは完全に動揺している。
「あは~変態だね~」
エーリカは更に止めの一撃を食らわせた。
「知ってる?ロリコンは逮捕されたらみんなそう言んダナ!」
バルクホルンはすっかりいじけてしまって、一言も口を利いてくれない。
エーリカはアホの子なので、全然空気読めない。
かまわず一人で、ブックマーク ア・ヘッドを歌い始めた。
たまらずバルクホルンが怒鳴った。
「エーリカうるさい!」
エーリカはかまわず「トゥルーデも歌おうよ。」
などとのー天気な事を言い出した。
バルクホルンはとうとうブチ切れた。
腰の拳銃を抜きエーリカに突きつけた。
「黙れビッチ!」
アホの子のエーリカもこれ以上やると殺されると思ったらしく、
「ボボク、ビッチじゃないもん!」
と言いながら、しぶしぶ歌うのを止めた。
そうこうしているうちに、列車が徐行し始めた。
どうやら、給水・給炭のために軍用列車が止まるようだ。
エーリカが貨車の扉を開けると、線路脇に大勢の人が集まっている。
「トゥルーデ、人がいっぱいいるよ。」
バルクホルンはウンザリしたような顔つきで、
「エーリカ。あれは物売りや列車に便乗させて貰おうとする人だ。毎回毎回
何度同じ事を、お前さっきも同じ事を・・戦争が始まって列車は軍用と
貨物優先だからな。」
エーリカはアホ面さげて、感心している。
「トゥルーデてカルスポ読んでるから物知りダナ。」
バルクホルンはエーリカはアホ面を見ながら、頭痛がするのを覚えた。
エーリカ達の貨車に誰か近寄ってきた。どうやら物売りの農婦のようだ。
「兵隊さん、スポーツ新聞に同人誌、エロ本にエロゲー何でもあるよ
お安くしとくから、買っておくれよ。」
エーリカはさっそく物売りと値段交渉をはじめている。
「おばさん、このエロ本消しはどの位?この同人誌てエロいの?
ビニール破って、中身みせてよ。」
などとお宝の山にすっかりご満悦である。
トゥルーデはエーリカのあまりにも節操のない行動に眉を
顰めながら、見ている。
結局エーリカは数冊のエロ本とエロ同人誌を購入したらしく、
早速戦利品を広げてご機嫌である。
「トゥルーデ!見てよ!見てよ!オラーシャて凄いんダナ。」
「全部消しなんかないよ。丸見えだね。」
「トゥルーデにもロリ本買っといたから、あとで見せてあげるね。」
トゥルーデはエーリカのあまりにも恥ずかしいビッチぶりに
思わず注意した。
「貴様!少しは規律あるカールスラント軍人らしき行動をしろ。
そんな事だから、ビッチ扱いされんだぞ!罰として、そのロリ本
はわたしが、全部没集する!」
そう言ってトゥルーデはエーリカからロリ本を取り上げた。
「ん?何だショタ物が混じってるじゃないか。安心しろ、わたしは
守備範囲が広いのだ!」
エーリカはトゥルーデの行動をみて、また1つ宇宙の心理に一歩近づいた
ように思えた。
またもやエーリカ達の貨車の扉の前に物売りがやってきた。
今回はまともらしく普通の物売りの少女だ。
結構かわいらしい女の子である。
エーリカは何があるのか物売りに尋ねた。
「兵隊さん買ってくれるの?ゆでたじゃがいもとか卵、牛乳、パン
とかがありますよ。」
「エロ本はないの?」
少女は顔を赤らめている。
「あありません!」
「なら芋ちょうだい。」
エーリカは当たり前の答えに落胆しながら、芋を買う事にした。
その時貨車の隅にいてロリ本を見ていたトゥルーデの目が怪しく光った。
「おい!少女!条件によってはその籠の中のもの、わたしが全部買って
やってもいいぞ!」
思わぬ提案に少女は喜びながらトゥルーデにお礼を言った。
「本当!あありがとうございます。ところで兵隊さん条件て?」
トゥルーデは少女の前に立ち咳払いをしながら話始めた。
「おい!少女!わたしを踏んでくれ!」
少女は目を白黒させながら
「えー?ふ踏むて?」
「そうだ、こうゆうふうにだな。」
そう言いながらトゥルーデは目の前にいるエーリカに小外刈りをくらわせ、
床に叩きつけた。
完全に決まったらしくエーリカは大の字になってノビている。
するとトゥルーデは大の字になってノビているエーリカの顔を、
軍用ブーツでグリグリ踏み始めた。
「こうだ!わかったか!」
どうやら少女は自分の運命を悟ったようだ。
少女は半べそをかきながら、覚悟を決めて言われた通りトゥルーデを
踏もうとした。するとトゥルーデが、怒鳴った。
「違う!生足でぎこちなくグリグリ踏んでくれ!」
少女は言われた通り生足でぎこちなくトゥルーデの顔をグリグリ踏みはじめた。
「そうだ!お姉ちゃんと呼ぶんだ!」
少女はトゥルーデに怒鳴られて、泣いている。
「おお姉ちゃん!」
少女は、恥ずかしさと情けなさのあまり真っ赤に紅潮している。
トゥルーデは絶叫した。
「クリス!!!!!」
トゥルーデ祝福の時である。
「あれ?頭がズキズキする。背中も痛いし?二日酔いダナ。」
どうやらエーリカが目をさましたようだ。
必殺の小外刈りを食らって、数分で目をさますとわ流石ビッチである。
並の人間ならとっくにくたばっている。
よく見るとエーリカの顔面は血だらけで、、
起き上がったエーリカの顔面にはくっきりブーツの足型がついている。
どうやらトゥルーデはエーリカの顔面をブーツで踏みつけた時に
全然容赦しなかったらしい。
トゥルーデはエーリカの顔を見て、笑いを堪えながら、
「おまえ、飲みすぎだぞ!カールスラント軍人たる者!節度をわきまえろ!
それとお前、これで顔をふけ。」
そう言いながらトゥルーデは雑嚢から純白の越中を差し出した。
「トゥルーデ、danke、所でこの布左右に紐付いてるけど何ダナ?」
トゥルーデは噴出しそうになりながら、
「これは坂本少佐にいただいた、越中褌と言う物だ、紐付きで何にでも
使えるそうだ、扶桑の侍が肌身離さず実に着けている物だ。」
エーリカは越中がすっかり気に入ったらしく、いろいろ弄くりながら
使い方を考えている。
「トゥルーデこの布何か名前書いてあるよ?あ!宮藤芳佳て書いてある。これ
宮藤のだ!」
「そんなはずはない!宮藤のはわたしがココに、肌身離さず持っている。」
そう言いながら、トゥルーデは懐から綺麗に畳まれた褌を取り出した。
確かに坂本美緒と名前が書いてある。
「芳佳のだったら、ボクが貰うダナ。」
「何だと?寄こせ!ん?これは確かに宮藤のだ!」
そう言いながら、トゥルーデは魔力で褌の匂いをクククン
嗅ぎはじめた。
「宮藤!いくら洗っても、貴様の思春期独特の臭い、恥かしい染み
わたしには総て解るぞ!」
トゥルーデは脳みそが完全に臨界点に達している。
かわいそうに坂本少佐の越中はいつしか、隅のゴミ箱に裡捨てられている。
ペリ犬が見たら昏倒しそうな光景である。
褌をトゥルーデに強奪されたエーリカが文句を言ってる。
「それボクにくれたじゃ?、トゥルーデおかしいよ?妹もいないのに何興奮
してるの?それにその白い布?何に使うの?一体何ナンダナ?」
「エーリカお前知らんのか?褌とは扶桑のズボンだ!色が白なのはわたしの
心のように純白だからだ!」
「トゥルーデなにアホナ事言ってるの?トゥルーデて真っ黒の変態
じゃん!このペド野郎!」
「それにひどいよ!トゥルーデはわざと知ってて、そんな汚いものボクに?
何これ恥かしい染み付きじゃん!うそだろげや、おどれがしたんだろげや?変態!」
「貴様!何を言う!この布はだな、神聖にして不可侵ないもうとの
わたしの宮藤のズボンだ!」
「トゥルーデのシスコン!ド変態!ペド野郎!それに芳佳はとっくにボクが
頂いたから!すげー好かったぜ!トゥルーデ惨め!」
エーリカはトゥルーデを罵り、口から出任せを言った。
がこれは流石に誤爆だった。
トゥルーデは、完全に怒り狂い、エーリカに制裁をくらわせた。
まず電光石火の早業でエーリカを肩に逆立ち状態で抱え上げ、
両手で相手の両足をホールドした状態でジャンプした。
着地の衝撃でエーリカは首折り、背骨折り、股裂きのダメージを受けた。
これぞトゥルーデ48の殺人技の一つトゥルーデバスターだ。
着地の瞬間トゥルーデは手加減した。いくらアホの子エーリカでも
本気で遣られたら即死である。
トゥルーデバスターをくらったエーリカは流石に手加減されて
いたとわいえ全身のダメージで、全身から血を流して、完全にのびている。
「ドクトル!急患だ!」
トゥルーデは冷たく言い放た。
「トゥルーデ酷いよ!トゥルーデバスターて、ズボンが無かったら即死だね。」
エーリカはこの後に及んでもアホな事を言っている。
トゥルーデは赤十字の若い従軍看護婦に担架で運ばれて行く、エーリカを
見送りながら。
「この看護婦があと10歳位若かったらストライクなんだが、と呟いていた。」
\n