無題


エイラ「サーニャ・・・」

エイラはひどく落ち込んでいた

明日はバレンタインだというのに
ここ数日サーニャが冷たいのだ

エイラは明日サーニャにチョコをあげるつもりなのだ、しかしこのままサーニャに冷たくされたままでは渡せない

エイラ「私、何かしたかな・・・」

エイラは身に覚えが無かった
それに、3日前まではサーニャと普通にお喋りしたり、タロットをやったり、お風呂に入ったりもしていた

しかし考えても、答えは見つからない

エイラ「ダメだ、全然分からないよ・・・」

このままでは埒があかない
エイラ「サーニャに直接聞いてみるしかないか」

エイラはサーニャを探すために、立ち上がり、部屋を出た

案の定サーニャはすぐ見つかった

サーニャは基地内にあるお風呂にいた

エイラも衣服を脱ぎ、浴室に入って
サーニャの隣に座る

エイラ「なぁ、サーニャ」
サーニャ「なに?」

やはりいつもと違い、返事が冷たい
エイラは続ける

エイラ「サーニャ、最近どうかしたんだ?」
サーニャ「どうもしないよ」

サーニャは目すら合わせてくれない

エイラは泣きそうになるのを堪え

エイラ「なんか最近冷たくないか?私何かしたか?」
サーニャ「ううん、別にそんなことないよ・・・そろそろ逆上せそうだから、先に出るね」
エイラ「サーニャ!待って!」

エイラはサーニャを呼び止めた

エイラ「何かしたなら、謝るから!冷たくしないで!」
サーニャ「・・・・・・」

サーニャは何かを言いたそうにこちらを見ている
だが、何かを振り払うように首を振ると
脱衣所へ歩いていった

一人残されたエイラは何かが崩れたように泣き崩れた

エイラ「サーニャ・・・ううっ・・・うううっ」

エイラの泣き声は虚しく、浴場に響いた

その頃、他のウィッチ達は食堂で夕食を取っていた

そこへ、泣き顔のエイラが入ってきた

芳佳「エイラちゃん、どうしたの!?」
エイラ「なんでもないよ・・・」
芳佳「でもっ!・・もがっ!?」

その後を続けようとした芳佳の口を
坂本少佐が塞ぐ

芳佳「坂本さん!?」
坂本少佐「宮藤、いまはそっとしておいてやれ」
芳佳「でもっ!」
坂本少佐「放っておいてやるのも優しさだ」

芳佳は仕方なく席に戻る
すると、隣に座っていたリーネが心配そうに話しかけてくる

リーネ「芳佳ちゃん、エイラちゃんどうしたのかな?サーニャちゃんも元気無さそうだし・・・」
芳佳「どうしたんだろうね?喧嘩でもしちゃったのかな?」
リーネ「あの二人が?そんなことあるのかな?」
芳佳「あの二人だって、喧嘩ぐらいすると思うよ、後でサーニャちゃんに聞いてみようか?」
リーネ「うん、そうだね」

そして食事後

芳佳「サーニャちゃん?部屋入ってもいいかな?」
サーニャ「うん、いいよ」

芳佳はゆっくりドアを開け
部屋の中へ入る

サーニャ「芳佳ちゃん、どうしたの?」
芳佳「ううん、サーニャちゃん食事の時元気無さそうだったから、どうしたのかなと思って

・・・それにエイラちゃんも泣いた後のような顔だったから、喧嘩でもしちゃった?」

サーニャはベッドの下から何かを取り出した

それは・・・綺麗にラッピングされたチョコだった

芳佳「すご~い、可愛いな~、誰にあげるの?」
サーニャ「・・・エイラだよ」

サーニャは恥ずかしそうに答える

だが、すぐに寂しそうな顔になり

サーニャ「エイラには、今回内緒で渡そうと思って、だからなるべく離れてようと思ってたの・・・でもエイラは冷たくされてると思ってて
いまさっきお風呂で泣いてた・・・」

サーニャは悲しそうな顔で、芳佳を見ている

芳佳「サーニャちゃん・・・」

エイラを喜ばせようと思ってやったことなのだろう
だが、逆にそれはエイラを傷つけてしまった

サーニャ「私のしたことは、間違ってたのかな?」
芳佳「違うよ!確かに気持ちがすれ違って、エイラちゃんを傷つけてしまったかもしれない!
でも!サーニャちゃんはエイラちゃんを喜ばせようとしてやったんだよね!?」
サーニャ「うん・・・」
芳佳「じゃあ、その気持ちをちゃんと伝えないと!きっとエイラちゃんだって分かってくれるよ!」
サーニャ「芳佳ちゃん・・・」

サーニャは何かを決めたように顔を上げ

サーニャ「私、エイラのとこに行ってくる!」

サーニャは部屋を飛び出した
エイラの為に作ったチョコを持って

エイラは自室で泣き疲れて寝ていた

「・・・ラ」
ん?誰だ?

誰かがエイラを呼んでいる

「・・・イラ」
エイラ「サーニャ・・・?」

サーニャ「エイラ、起きた?」
エイラ「サーニャ!?どうしたんだ、こんな時間に!?」

いまは夜中の2時だ
エイラは食事の後からだいぶ寝ていたらしい

サーニャ「エイラ、ごめんなさい」
エイラ「サーニャ・・・」

サーニャは後ろに隠していたチョコをエイラの前に出した

サーニャ「これ・・・エイラに」
エイラ「これ・・・サーニャの・・・?」

サーニャは小さく頷く

エイラ「でもサーニャ、私の事嫌いになったんじゃないのか!?」
サーニャ「嫌いになんてならないよ」
エイラ「でもっ・・・冷たかったじゃないか」

サーニャはエイラの隣に座り
エイラの手を握る

サーニャ「冷たくなんかしてないよ、あのね・・・チョコ、内緒で渡そうと思ってたの」
エイラ「サーニャ・・・」

サーニャはエイラの手を握ったまま、エイラの正面に座り直した

サーニャ「それにね、私がエイラのことが嫌いになるわけなんてないよ?」
エイラ「サーニャ・・・ごめんよ、勘違いしちゃって・・・」

エイラは素直に謝った

エイラ「サーニャ、ありがとう・・・チョコ」
サーニャ「ううん、エイラこそ、いつも一緒にいてくれてありがとう、あのね・・・エイラ」
エイラ「なんだサーニャ?」
サーニャ「これからも一緒にいてね?」
エイラ「あたりまえだろ!」

こうして二人の絆はいままでより強くなった

この先何があっても二人なら乗り越えれる
そんな思いを抱きながら
二人は深い眠りに落ちていった

しっかり手を握りながら・・・

End


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