お願いハニー
「お誕生日おめでとう、エイラ」
「おお、ありがとうサーニャ~」
「というわけで今日は1日私の言うこときいてね」
「なんで!?」
「まずは肩揉んで」
「いやいや、ちょっと待って!」
「だめかな?」
「だめだろー!? 私の誕生日なんだぞ?」
「まあまあ」
「まあまあじゃねーよ!」
「ほらほら、揉んで揉んで」
「ったくもー……。今日だけだかんなー!」
「どうだ? 気持ちいいかー?」
「うん、とっても」
「そっか、よかったー」
「じゃあエイラ。次は前をお願い」
「おう、わかったぞ。って前?」
「うん。ほら、ここよ……」
「うわっ! ちょ、ま、おいサーニャ!」
「ん、ちゃんとやって……」
「ちゃんとってここは胸! おかしいって!」
「こう……んっ……動かして……。優しく、ね……?」
「ちが、揉む場所がおかしいって言ってんの!」
「んっ…あ…。そう…もっと…」
「自分で動かすなー!」
「まったくもう…エイラのばか……」
「なんで私が怒られてるの!?」
「たまにはいいじゃない」
「怒られるのが!?」
「ほら、手が止まってる。続けて」
「お、おう……。ってダメー!」
「はぁ……」
「まったく…。どうして急にこんなこと言いだしたんだ?」
「それは…、ほら、誕生日だし」
「あんまり関係ないじゃんかー」
「エイラを独り占めしたくて……」
「ううっ、そう…だったのか……」
「ごめんなさい……」
「サーニャ……」
「ごめん…なさい……」
「い、いいって! 気にすんな! ほら、次のお願いはなんだ?」
「ほんと? じゃあ続きお願い」
「って遠慮なしかああああああああ!」
「気持ちよくさせてね……?」
「もっと踏み込んだああああああああ!」
「ちぇ……」
「まったく……。サーニャってば……」
「……」
「そんな目で見てもダメ! まだ私の心の準備ってものがダナ………」
「だったら…」
「まだあるのか? へ、変なお願いはダメだかんな……」
「もう大丈夫よ……。えっと――」
「ずっと、私のそばにいてください……」
「サーニャ……。あ、当たり前だっ…! 私がサーニャをおいてどっか行くわけないだろ!」
「エイラ……。ありがとう」
「へへ……」
「そして…はい、誕生日プレゼント」
「ありがとうサーニャ…。ってこれ……!」
「大好きよ、エイラ」
「……」
「エイラが好き……」
「……わ、私だってサーニャが好きなんだぞ!」
「エイラ……」
「だ、大好きなんだからな!」
「うん…」
「ずっと、一緒なんだからな!」
「うん…!」
END