don't stop the music


ハ~イ今夜も「STRIKE TALKING RADIO」始まりマシタ~。
DJ兼MC、パーソナリティのエイラ・イルマタル・ユーティライネンでス。皆聴いてるカナ?
この番組ハ、サーニャのレーダー魔導針を通しテ、全世界の悩めるウィッチに秘密のラジオとしてお伝えしているンダナ。
夜間哨戒のついでじゃないカラナ?
今夜はナント! 501JFWから「サムライ」こと坂本美緒少佐がゲストで登場! 拍手ゥ~。

ぱちぱちぱちぱち~

「はっはっは。改めて紹介されると何だか照れるな」

つ、遂にこの日が来たカ……。

「どうしたエイラ? 何をそんなに怖い顔してるんだ?」

イヤッ何でもないゾ。いつもとおんなじ、まったり進行だからナ。

「で、私は何をすれば良いんだ? ミーナやサーニャみたいに上手く歌う事は出来んが、やれと言われれば別に構わんぞ?」

歌わなくて良いッテ! 何で歌う気満々ナンダヨ? 色々お便り来てるカラ、経験と実戦豊富な少佐がアドバイスしてクレヨ。

「なるほど、アドバイスか。経験と実戦、と言われても、空戦位しか私には無いが」

いやそこは真面目に答えて貰わなくテモ……。

「坂本少佐、宜しくお願いします」

「うむ、こちらこそラジオは初めてだ、二人とも宜しく頼む!」

微妙にやりにくいゾ……。
今日最初のお便り。ラジオネーム「扶桑陸軍のひと」さん。

「ほほう、扶桑からか。海軍からの手紙は無いのか」

無いナ。陸軍だってサ。読むゾ。

『今度私達、合同で野外演習を行う事になったんですけど、よりによってあの501と聞きました』

「『よりによって』、だと? 何か引っ掛かる言い方だな」

「エイラ、続けて」

ああ分かっタ。手紙最後まで読むから少佐も落ち着いて聞いてクレ。

『これって別にヘンな意味じゃないんですけど、ずっと扶桑陸軍に居た私達にとっては超アウェーみたいな感じで、
どうやってあの501の凄いエースの人達と接すれば良いか、全然分かりません。
エイラさん、どうしたらいいんでしょうか?』

ナルホド。ズバリ、言ってもいいかナ?

「何事も笑顔、そして大きな声で挨拶! これで万事解決だ! はっはっは!」

ま、まあ、普通なんだけど少佐が言うと……イヤ、その通りダナ。

「エイラ、私は何か不味い事でも言ったか?」

とんでもなイ! 至極真っ当なご意見頂きましタ、ハイ。
……とりあえず、ここで「サーニャのうた」どうぞ~。

辛うじて和んだところで次のお便り。今度も扶桑からダゾ……所属は内緒で、ラジオネーム「飛行学生」さん。
今日は何だか扶桑スペシャルダナ。ゲストもお便りも扶桑からダゾ。

「私に合わせてくれたみたいで何かすまんな、はっはっは!」

いや別にそう言う意図じゃなくて偶然だと思うケド……とりあえず読むゾ。

『遠距離恋愛の恋人は約半数の人が浮気したり別れると言う噂を聞いたのですが、
私の彼女を浮気させない、別れない方法を教えて下さい』

これは……何て答えたら良いンダ? 少佐は何か意見有るカナ?

「諦めろ! その甘い考えを捨てろ!」

まさに一刀両断ダナ。とりつく島もないゾ。

「そんな甘っちょろい考えだから相手に隙を突かれて浮気だのなんだのされるんだ。
もっと覚悟を決めて、一直線に付き合え! 何なら遠距離で有る事を捨てろ!」

また何て無茶振りヲ……。

「違うかエイラ? 浮気する、しないは自分もそうだが相手にも問題が有る。つまり半々だ。
お前も含めて浮気するかしないかはそいつの性格の問題だから、浮気をする様な奴は何をやってもするんだ。
まあ、逆もそうだがな」

イヤ、私が説得されてモ……このお便りの人ニ……

「では仮に聞こう。仮にエイラ、お前とサーニャが遠距離恋愛になったとして、浮気しない絶対的な確信は有るのか?」

ズバリ、有るナ。私とサーニャを舐めて貰っちゃ困るゾ。こう見えても私達ハ……
……サーニャ、目そむけないでくれるカナ?

「信じてる、から」

さ、サーニャぁ~!

「はっはっは! やはりお前達は大丈夫だ。この私が言うんだ、問題無い!」

嬉しいケド、何だかよく分からない展開ダゾ……。

最後のお便り。……これも扶桑からダゾ、今日は珍しいナ。ラジオネーム「匿名希望の元ウィッチ」さん。

『二十歳を超えて、シールドを張るのも厳しくなりました。
でも出来る限りウィッチでありたい、空を飛びたい、人を守りたいと思います。
どうしたら歳を取らずに済みますか?』

難しい問題ダナ~。年齢ってウィッチなら絶対に避けて通れない問題だからナー。

「そうだな。しかし、この手紙の人は、誠実さが文面から滲み出ているな。素晴らしい事だ」

同感ダナ。

「しかし、悲しい事に、年月は人に関係無く平等に訪れるものだ。ウィッチとしての寿命は微妙に異なってくる様だが」

「あの、坂本少佐もそろそろ厳しいって、ミーナ隊長から聞きました……ミーナ隊長、とっても心配していました」

「そうか……。心配してくれていたのか。そうか。嬉しいぞ」

それで、このお手紙の質問なんだけド、少佐は何か有るカナ?

「質問?」

つまり、歳取らずにと言うか、若々しくある秘訣? みたいナ。

「若々しく、か……。甘い。甘いな」

甘い? と言うト?

「『若々しく』などもう古い! 目標はもっと大きく持て!」

大きくと言うト?(何か嫌な予感がスル……)

「不老不死に決まってるじゃないか」

それこそ無茶振りも良いとこダゾ少佐!

「それ位目標は高く持てと言う事だ! 後は鍛錬で何とかなる! はっはっは!」

流石気合と根性の人ナンダナ……。てか結局そこに行き着くんだナ。

「だから少佐、毎朝あんなに早くから厳しいトレーニングを……」

「まあ、それも有るが、身に染み着いたものだからな」

ナルホド。

「私もこの手紙の人と同じ、出来る限りウィッチでありたいが、どうかな」

「ミーナ隊長も、無理しないで、って言ってました。後進の指導など如何でしょう?」

「それも、ひとつの方向としては良いな。指導か。……本を書くのも良いかもな」

とりあえずミーナ中佐を安心させてあげてクレ。

「エイラも珍しい事を言うな! 気を利かせたつもりか? こりゃ雨が降るぞ! はっはっは!」

ミーナ中佐と少佐を気遣ったのに、酷い言われ様ダゾ……。

「エイラ、そろそろ時間……」

オッ、本当だ。
さて、ではそろそろお時間となりましタ、今夜はこの辺で。最後に……

「……辛い別れに悲しい別れ、色とりどりの別れ有り。
今の歳とももうお別れ、嗚呼言わないで歳の事。
歳は食っても喰われるな、ウィッチの花道咲かせます。
歌いますのはこの私坂本美緒、『大空の……」

少佐なにどさくさ紛れにセルフ前口上言ってンダ!
演歌歌う気満々じゃないカ! 誰か止めロ!

「無理ね」

サーニャが言うなア! ウワァァァァァ……

end



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