phoenix


ハ~イ今夜も「STRIKE TALKING RADIO」始まりマシタ~。
DJ兼MC、パーソナリティのエイラ・イルマタル・ユーティライネンでス。皆聴いてるカナ?
この番組ハ、サーニャのレーダー魔導針を通しテ、全世界の悩めるウィッチに秘密のラジオとしてお伝えしているンダナ。
夜間哨戒のついでじゃないカラナ? さて今夜は……

「知ってるか? 今日は私の誕生日なんだぜ!」

言う前から出て来たヨ……。自重しろヨ~。

「ほらほら、早く紹介しろよ」

じゃあ紹介~。またもや勝手に付いてきた……いや「ついてない」カタヤイネンこと
スオムス空軍飛行24戦隊曹長、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンだナ。
拍手は要らないゾ。今は502JFWに居るらしいゾ。いつの間に左遷されたンダ?

「左遷じゃねえ! って、『らしい』って、随分適当だな。戦友の事気にならないのかよ?」

ならないネ。

「……エイラ、私は?」

サーニャは勿論気になるゾ。だってサーニャは私の……

「何だよ。言えよイッル」

ニパには言えないな。

「何だよそれ」

まあともかく今夜もお便り来てるゾ。おっ珍しい、502からダゾ。ちょうどニパが居るとこじゃないカ?

「まあ、そうだけど、……なんか嫌な予感がする」

ええっと、カールスラント出身、ラジオネーム「伯爵」さん。

『この前の事なんだけど、ちょっとした用事でブリタニアに行った時のことさ。
街で可愛い子に会ったんだけど、特に二人めに現れた子がタイプでね。
だからどうしたって言われると困るんだけど』

……。

「……」

「あいつ、また適当な事を……」

一応続き有るから読むゾ。

『しかしブリタニアは雨が多いし、食べ物があまり口に合わないんだよね。行ったことないけど……
いや、バルクホルンの妹さんのお見舞には行ったよ。
でも花束を持って行ったら、バルクホルンから『私の妹に手を出すつもりかっ』ってキレられてね。
ボクはどうしたらいいんだろう?』

どうしたらって言われてもナー。
じゃあ、ズバリ言ってもいいカナ?

「伯爵だからに決まってんだろ! 少しは自重しやがれ!」

よく事情が飲み込めないけど、この「伯爵」サンって人はそんな様に見られる人ナノカ?

「こいつ、メチャメチャいい加減で女好きなんだぞ。ホント、困ってるんだ」

まあ……ニパがそこまで力説するならそうなんだろうナ。

「あれ、珍しくイッルが認めた」

特に意味は無いカラナ!

最後のお便り。これも502からダナ。ラジオネーム「しろいくまさん」
可愛いラジオネームダナ~。……ニパどうした? 顔色悪いゾ?

「気のせい。きっと気のせい。正座とかないから」

?? 何の事ダ? まあ読むゾ。

『私の隊の部下の事です。幾ら心配しても、逆ギレされてしまいます。
別にストライカーの損耗とか……まあ確かにそれも頭の痛い問題ですけど……
でも、万が一の事が起きないよう、いつもきつく言うのに
「私は不死身だ!」
の一点張りで話を聞いてくれません。もう正座させるのも疲れました。
エイラさん、どうしたら彼女は話を聞いてくれますか?』

これは……ニパ、お前の事ダロ?

「ちっ違う! 私だけじゃない! ナオも伯爵もだ!」

「私、噂で聞いた事ある。確か『ブレイクウィ……』」

「わあ、言わないで!」

サーニャのツッコミに珍しくニパが慌ててるんダナ。
まあ、ズバリ言ってもいいカナ?

皆でペットを飼うとイイゾ。

「ペット? 何で? 私達には使い魔居るだろ」

違うヨ。普通の動物ダヨ。
動物って可愛いよナ~。でも大抵人間よりも早く死んじゃうから、命有る者皆限りあるって事が身をもって分かるンダナ。

「そりゃ、いつかは死ぬだろ。不死身じゃないんだし」

ホホウ。でも502ではニパは自分で「不死身」だと言ってるそうじゃないか。ホレホレ、このお手紙に書いてるゾ。

「だからそれは……正座だけは勘弁して、マジで」

でもそれだけ「しろいくまさん」はウィッチのみんなを愛してるし、大切に思ってるって事ダロ?
だからそれに応えてあげないと、「しろいくまさん」もかわいそうじゃないカ?

「まあ……うん」

せっかくの誕生日なんだし、少しは人の話聞けよナ。

「あ、ああ。……って、祝ってくれるのかイッル?」

「おめでとう、カタヤイネンさん」

おめでとナ。何も無いけど。

「いや、別に何も無くて良いけど。……素直に言われたのって初めてな気がして。……嫌だな、なんか視界が悪い」

泣いてるのカ? ニパは泣き虫だからなァ。

「泣いてねえ! 泣き虫でもねえ!」

「カタヤイネンさん、はいこれ。どうぞ」

「え、花束……?」

「エイラと二人で考えたの。受け取って下さいね」

「あ、有り難う。バラかぁ……い、いてっ! トゲがっ」

やっぱりニパだな。そう言う所は必ず外さないナ。

「こうなるの分かってバラを渡したな? イッルの馬鹿ーっ!」

さテ、ではそろそろお時間となりましタ、今夜はこの辺で。最後に、「サーニャのうた」を聴きながらお別れデス。

end



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