i can fly


ハ~イ今夜も「STRIKE TALKING RADIO」始まりマシタ~。
DJ兼MC、パーソナリティのエイラ・イルマタル・ユーティライネンでス。皆聴いてるカナ?
この番組ハ、サーニャのレーダー魔導針を通しテ、全世界の悩めるウィッチに秘密のラジオとしてお伝えしているンダナ。
夜間哨戒のついでじゃないカラナ? さて今夜は久々にサーニャと……

「……」

「……ねえ、エイラ」

うん、分かってるサーニャ。
……おいニパ、何でそんなゲッソリした顔してるんだヨ。いつものツッコミはどうしたんダヨ。何か言えヨ。

「もう良いんだ……忘れてくれ502の事は」

ハア!? 何言ってんだニパ!? お前の所属する立派な統合戦闘航空団じゃないカ!

「もう良いんだ……ストライカーユニット壊したり、正座したり、話したり……アハハ……」

ニパしっかりシロ!
ああもう分かってると思うけど一応、なんかフラフラしながら勝手に付いてきた
……いや「ついてない」カタヤイネンこと、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンだナ。
拍手は要らないゾ。502JFWに居るらしいケド……、今日は何か様子が変なんだナ。

「わはー空とんでるー」

「カタヤイネンさんしっかり!」

サーニャにまで心配されてるゾ……一体何が有ったンダ?
まあとりあず今夜もお便り来てるから読むゾ。所属「ブレ……」

「ひいっッ!! ブレイクしてない!」

なんでそんな過剰に驚くんダヨ。最後まで聞けヨ。所属「ブレイブウィッチーズ」、ラジオネーム「姐御&先生」さん。
なるほど、二人で一枚のお便りみたいダナ。……ニパ、顔色悪いゾ?

「き、気のせい」

こりゃとりあえず早めに読んで帰った方がイイナ。ええっと……

『あのさエイラさん、ニセ伯爵の暴走を止める良い方法って有ると思う?』

……。

「……」

「……」

とりあえず、ズバリお答えするゾ。

無いナ!
「無えよ!」
「無いですね」

……三人揃って意見が一致したゾ。珍しいナ。

「エイラも珍しく丸投げ」

サーニャだって……。でも、私とサーニャはその話題の「伯爵サン」てひととと直接会った事ないんダケド。

「絶対会わない方が良い。一生後悔する」

断言するのカヨ、ニパ……何が有ったンダ?

「言わせる気かーっ!? イッルの馬鹿ーっ!」

私が何言ったンダヨ? ニパ絶対おかしいゾ?

次のお便り。これも502からダナ。

「イッル、それ私への当てつけかよ?」

仕方ないダロ。私とサーニャのラジオは「来るモノ拒まず」だからナ。
ラジオネーム「デストロイヤー」さん。何かリングネームみたいダナ。読むゾ~。

『あの、オレさ、前から……、いえわたくしは、姉に似ているとの下らない理由で
上官とあらぬ関係を持ってしまいました……』

何で文章の途中から一人称と書き方が変わってるんダ?

「これは……多分ナオだな。いつもは自分の事『オレ』呼ばわりで粗暴なんだけど、
小さい頃は儚げな文学少女だったらしい。前にちょこっとだけ聞いた事ある」

へー変わったひとダナ。……ってお便りは基本匿名なのに名前出しちゃ駄目だろニパ! まあ続き読むゾ。

『ついつい求めてしまうのですが、お互い疲れているのか、続きません。
どうしたら何回も続ける事が出来ますか? 教えて頂けませんか?』

……。

「……」

「……」

続けるって、何ヲ?

「い、言わせんなイッルの馬鹿!」

ホント、今日はニパおかしいナ。じゃあ、ニパのいやらしい想像通りだったとして……

「だっ誰がいやらしい事なんかっ!!!」

顔真っ赤にして言っても説得力無いからナ。
ズバリ言うぞ。

二人して酸欠なんじゃないカ? ハンガーから酸素ボンベ拝借して酸素呼吸ダ!

「酸素? 何でだよイッル?」

激しい運動とかスポーツすると酸素の量が減って頭フラフラになるんダヨ。
あと私達ウィッチは魔法シールドで周囲の環境を保護してるけど、戦闘機に乗ってるパイロットさんは
高い高度だと酸欠になるからほぼ必ず酸素マスクをするダロ? もしくは機体を予圧するトカ。
だからデストロイヤーさん、1ラウンド終わったら二人して酸素ボンベから酸素を
(シュ~)
っと吸えば良いんダヨ。シャキッとするゾ。

「なんでイッルそんな事知ってるんだよ?」

さあネ。

「……エイラの、ばか」

「イッルもリトヴャク中尉も何か様子おかしいぞ? 何やってんだよ!?」

でも吸い過ぎると、覚めるかも知れないけどナー。「私達何やってんダロ」みたいナ。

「イッル、またろくでもない事教えやがって……」

ならズバリ言うゾ。
愛し合う事はスポーツダ! アスリートのように一対一の真剣勝負……

「エイラ?」

はい、調子乗り過ぎました、やめマス。

「イッルってリトヴャク中尉の言う事だけは素直に聞くんだな……。いいよなあ、イッルは……」

ニパ、本当に今日はドウシタ? 一体何が有ったンダヨ?

「いいよな、イッルは501でさ……。私なんか……私なんか……」

ニパ危なイ! 高度落ちてる! 墜落スル! ……よいしょット。何で抱っこしなきゃ飛べないんだよニパ。
それに何で泣き顔なんだヨ。……悩み事有るなら相談に乗るゾ?

「本当かイッル? 流石長年の付き合いだけある! やっぱりイッルは最高だ!」

ちょ、ちょっと何で抱きついて来るンダ、ニパ! 止め……誤解されるダロ……はッ! もしやk

(フリーガーハマーのバックブラスト音)

「今日は都合により、エイラとカタヤイネンさんは早退しました。今夜はこれでお別れです。
最後に、この前録音したミーナ隊長の『リリー・マルレーン』を聞いてくださいね。
では皆さん、良い夜を♪」

end



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