dive into the sky
ふむ、私の主の事か? 真面目なひとだ。
規律正しく、戦技も卓越している。
ウィッチのやるべき事のひとつ、それは私達のポテンシャルを限界まで引き出し、
敵よりも優れている部分が有ればそこを活かして徹底して攻める事。
主はその点見事で、私をうまく扱い、ネウロイでも、模擬戦でも容赦無い。それは頼もしく強い証。
実際に撃墜したスコアがそれを証明している。
でも、何だかんだで仲間にも当たり過ぎるのもどうかとは、少々心配である。
私の部隊は混成部隊、だから様々な国のウィッチが、ストライカーユニットが集う。
決して負けたくはないし、また常に先頭に立ち、皆の模範に立たねばと思う。
だけど。
私は知っている。主は傷付きやすく、誰かが必要なこと。
私は主を、そこまでサポート出来ない。それが残念でならない。
でも、もう一人の天才ウィッチや、仲間達が居るから、主は頑張れる。
私も、いつもより頑張れる。少し位の無茶なら引き受ける。
私の主、それはカールスラント空軍が誇るエース、ゲルトルート・バルクホルン。
そして私の名はFw190D-9。
主と同じく、皆をリードし、導いていきたい。仲間として、家族として。
今日も主は私を履き、空へ舞う。主の思いは魔力というちからとなり、私のちからとなる。
こら、むせてる場合か? これから戦いだと言うのに。しっかりしろ。横で飛ぶ“家族”に気合を入れる。
間も無く交戦。これからが、主と私の、真価を見せるとき。高まる魔力を受けとめ、私は一層頑張る。
皆の為、主の為に。
end