dive into your body


「シャーリー!」
 そう言って隊一番のナイスバディに飛び込むのはルッキーニ。
 シャーリーも慣れた様子で、しっかりと抱き止める。
「まるで親子ね」
 和む光景を目にしたミーナが微笑む。
「えっ、中佐……流石に『親子』って言うのはちょっと。仮にも、あたしまだ……」
「具体的な歳の問題じゃないわ。二人の関係と言うか、そんなところよ」
「関係、ですか」
「ごめんなさいね、ヘンな事言って。私の言った事、忘れて頂戴」
 ミーナは笑顔で手を振り、執務室へと戻った。
「関係、か……」
 シャーリーはぼそりと呟いた。

「どうしたんだリベリアン、難しい顔をして。食事が冷めるぞ」
「ん? ああ……」
 昼食の席、どこか浮かない……と言うより何か解けない謎を前にした感じのシャーリー。
 そんな彼女を目にしたトゥルーデは少々心配になり声を掛けた。
「何か悩みでも有るのか」
「悩みって訳じゃないんだけどねー」
「何だ、リベリアンらしくもない。いつもの楽観主義は何処へ行った」
「なあ、堅物」
「どうした」
「あたしとルッキーニってさ」
「お前達がどうした?」
「……いや、何でもない」
「質問を寸止めする奴があるか? 気になるじゃないか」
「じゃあ、笑うなよ? あたしとルッキーニってどう見える?」
「どう見えるって……私に言わせる気か」
「まさか、堅物……」
「なら言おう。二人共、私の家族であり妹みたいな……」
「そうじゃない! 堅物の趣味を聞いてるんじゃないんだ」
「趣味と言うな」
「で、どうなのよ」
「……まあ、二人は仲の良い者同士にしか見えないな」
「仲良し、か」
 スプーンをくわえたまま、後ろ手に腕を組んで天井を見るシャーリー。
「しかしいきなりどうしたんだ、そんな事を聞いて」
「いや……」
 生返事のまま、食事を終えるとシャーリーは食堂から出て行った。
「何だ、リベリアンらしくもない」
 文句を言うトゥルーデの脇を、エーリカがつんつんとつつく。
「気になる? シャーリーの事」
「悩み事だったら話せばいいものを」
「トゥルーデらしいね」
 エーリカは呆れ、苦笑した。

「ニヒー シャーリー!」
 ぽよんとシャーリーの胸に飛び込むルッキーニ。でもいつもと様子がおかしい。
「なあ、ルッキーニ」
「なぁに、シャーリー?」
「あたしとルッキーニって、何なんだろうな」
「どうしたのシャーリ-? なんかヘンなものでも食べた?」
「いや、ちょっと考えちゃってさ。親子みたいとか言われたり、仲良しこよしみたいに言われたり」
「ふーん」
「まあ、歳の問題とかそう言うんじゃないんだけど、なんて言うか」
「シャーリー、考えすぎだよ」
「うえっ?」
「だって、シャーリーはシャーリーだし、あたしはあたしだよ?」
「うん、まあそうだよな」
「だから、あたし達はあたし達。違う?」
「よく分からないけど……まあ、そうなんだろうな」
「そうだよシャーリー。深く考えちゃダメダメ!」
 ルッキーニはそう言うと、シャーリーの豊満な胸に顔を埋め、幸せいっぱいの顔をする。
「あたしはシャーリーだいすきだよ?」
 笑顔で言われ、心のモヤモヤが晴れていく。
「そっか。確かにそうだ」
「シャーリ-?」
「あたしはそんなルッキーニが好きなんだ。だから考えるよりも感じてた方が良い」
 そう言うとシャーリーはロマーニャ娘をぎゅっと強く抱きしめた。
「えへへ。いつものシャーリーだ」
「ああそうとも。さあおいでルッキーニ」
 ルッキーニを抱擁し、軽く頬にキスをする。
「くすぐったい」
「なんかこうしたい気分なんだ。ありがとな、ルッキーニ」
「ウジュジュ シャーリーだいすき!」
 眩しい笑顔を見せるロマーニャ娘を抱いた音速のリベリアンは、微笑み、もう一度キスをする。
 ありがとう、そして大好きの印として。

end


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