無題


指先のリズムが変わり、ハッとする。
3短点、3長点、3短点
符号にすれば・・・---・・・

空で生きる人間にこのモールスの意味がわからない奴はいない。
遭難通信、つまり船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥った場合に遭難信号だ。
マルセイユの奴が、そのSOSのモールスと同じリズムで私の乳首をこね始めたことに気付いて、
私は奥歯を噛み締めた。
まるで

「お前の乳首がとんでもないことになっているぞ」

とでも言っているようで、悔しくてたまらない。
それでも言い返すことが出来ないのは、実際に私の乳首が勃起しているから。

マルセイユに指摘されるまでもなく自覚していた。
一目でそうとわかる程固くなっていることも、
あいつの細い指に弄られ、すがるようにもどかしく震えていることも。
顔も見たくほど嫌いな相手なのに、気を抜けば

「うっ…くぅ…」

気持ちよくて声が漏れてしまう。
奴の手付きは「射撃が敵機が吸い込まれていく」と称される偏差射撃の能力そのままに、
私の弱い部分を的確に見抜いて叩いてくる。
認めたくないけど、もっと弄って欲しくて仕方ない。
膝から下が水になってしまったみたいに力が入らず、立っていられなくなる。
こんなに大嫌いな奴なのに……

「どうしたグラマラスシャーリー?」
「あぁっ!」
「私が気にいらないんだろ?」
「た、頼む…うっ…」
「『ぜってー脱走してやる!』と息巻いたのに、あの威勢はどこに行ったんだ?」
「やめて、くれっ……あっ」

とうとう耐え切れずに尻餅をついた私を見下ろしながら、マルセイユが笑う。
笑いながら、執拗に乳首にSOSのモールスを打ち込んでくる。

「高速飛行で名の知れたお前のことだ」

あいつの素足が股下に滑り込んでくるのがわかった。
思わず身構えた次の瞬間、割れ目を足の指先でなぞられて、私は呆気なく仰け反った。

「あのルッキーニとかいうツルペタがいなければ、さっさと脱走出来るだろう」
「――――――ッアアアア!」
「お前が本気で逃げれば、この基地の誰も追いつけない」
「駄目っ! あっ、あっ、やだ、やめっ―――ぅあっ!」
「でも、お前は逃げずにここにいる」

苦しいくらいに硬くなっている乳首をきつく絞られる。
その痛みに恍惚となった自分に気付いて愕然とした。
痛みが気持ちいいと思ったことなんて今までないのに…
自分でも知らない隠れた性癖を暴かれ、恐怖を感じた。
マルセイユに染められている。
いいようにおもちゃにされて、はしたなく感じている。
身の毛がよだつくらい嫌なのに、気持ちよくてどうにも出来ない。

「そういう鼻っ柱の強いところに溜まらなくゾクゾクするんだ」
「……頼む…御願いだから…うっ…もうっ…やめてくれ…」
「あのツルペタをどうなってもいいならやめてやるが、どうする?」
「わかった! わかったから! あっ! あっ! ぁぁぁあっ」
「交渉成立だ。私はお前を好きにする。その代わりにツルペタには手を出さない」

その後のことはよく覚えていない。
乳首だけでイかされてしまった。
一度や二度じゃない。
マルセイユに冷たい笑顔で見つめられながら、私は夜通し何度もイかされ、とうとう気絶した。
目覚めた時にルッキーニが心配そうに私を見ていた。

「大丈夫シャーリー?」
「心配するなルッキーニ。ただ、久しぶりにキレちまったよ」


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