今日の502


「まったくあのニセ伯爵、人のことをいつもいつも……」
「どうかしたんですか、サーシャ大尉」
「ああ、ジョゼさんに下原さん……いやね、クルピンスキー中尉が私のことを呼ぶでしょう」
「?」
「ほら、アレよアレ」
「熊さんのことだろ」
「ニパさんっ!!」
「い、言ってるのは私じゃないだろ! 怒んなよな!」
「…………ええそうよね。こんなことニパさんにはわかるわけない話よね」
「なんだよその言い方」
「それじゃあニパさん、あなたの使い魔は?」
「フェレットだけど」
「ジョゼさんは?」
「ペルシャ猫ですが」
「下原さん」
「扶桑ウサギです」

「なんで私だけホッキョクグマなのよ――――っ!!」

「お、落ち着けって。熊にだっていいとこがたくさんあるだろ」
「――たとえば?」
「………………」
「どうして黙るんですか!」
「えーと、ほら、あれだ。白い」
「別にいいところじゃありません。他には?」
「え、他?」
「たくさんあるんでしょう?」
「あー、あれだよあれ――な、ジョゼ」
「えっ、私? えっと……ごつい」
「それはむしろ悪いところでしょう!?」
「ご、ごめんなさい……えーっと……ねっ、定子ちゃん」
「えっ、私ですか? えーと……空手家に倒される」
「それも違う! ていうか倒されちゃダメ!」
「――あっ、そうだ。女の子とか熊のぬいぐるみ好きじゃないですか。可愛いですよね」
「あー、それはあるかも……」
「まあ可愛いのはぬいぐるみだけで、実物はというと」
「おい、下原!」
「フォローになってない! 定子ちゃん、フォローになってないよ!」

「そ、それより――そういえば知ってますか? ナオちゃんの使い魔はブルドッグだって」
「あー、なんかぽいな」
「ねー」
「ロスマン先生は狐なんだってな」
「いいですね、賢そうだし可愛いし」
「ラル隊長は狼ですよね」
「おー。かっこいい」
「ところでサーシャ大尉は?」
「ホッキョクグマです……ってなに言わせるんですかっ!」

「おや、こんなところで集まってどうしたんだい? みんなで猥談?」
「う゛……最悪のタイミングでクルピンスキー中尉が」
「みんなの使い魔について話してたんです。そういえば中尉の使い魔ってなんでしたっけ?」
「ん。ワイマラナーだよ」
「わいまらなー、ですか?」
「そう。カールスラントの狩猟犬でね、獲物となるのはウサギとか狐、
 大きいものになると熊なんかも獲るんだけど……おや、どうかしたのかい?」


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