ウルスラは見た!そして、見られた!


私は部屋の自室の電気も付けづ、ただボーッとしているであります…

『ヘルマ、あなたそろそろ覚悟した方が良いわ。中佐が好きなの?あなたは』
『そろそろ決断の時が来たようだわね』

何だろうこの気持ち…胸騒ぎが止まらないであります…このまま寝るまでずっと、ドキドキしなくちゃいけないのでありますか?

「決断…でありますか」

コンコン...

闇夜の来訪者…と言ってもまだ12時前でありますね;;
誰かが部屋をノックしているであります。急いで電気を付け、ドアを開けると…

「ヘルマ・レンナルツ曹長!曹長宛てに荷物が届いております!」
「はっ!確かに受け取るであります!!」

部屋に来た通信兵に敬礼し、荷物を受け取る私。
はて、誰から…?

「アッ、アマゾン…?!」

まっ…まさかっ??!!

ビリビリビリッ!!!!

まるで何に取り憑かれたかのように、一心不乱に包装紙を破る私。
中から出てきたのは…!?

「ゲッ、ゲルトルート・バルクホルン抱き枕カバー(ゴクリ」

生唾ものです…っ!!!
何だろう、イラストを見た瞬間に体が火照ってきたであります…!!

「けっ、けしからんでありますっ!!大尉であろうべきお方にこんな恰好をさせて…っ!!」

はだけた軍服から見える双丘が…ジュルリ

「あへへへ………はっ!!??」

説明書きでは、
『イラストはすべて抱き枕用に描き下ろされており、ヒロインの魅力が満載された、ちょっとHな絵柄となっています。』
ちょっとどころじゃないであります!!これはまず製造元に苦情の電話を入れ、軍本部にも販売停止の………ん?!それを承知して、私は買ったんでありますよね?!

「落ち着けヘルマ、落ち着けヘルマ…」

まずは息を整えるであります…。

「シャワーを浴びよう!」

まずは身を清めてから!
…と言う事で全身をくまなく洗い、上がってからは手足の爪を切って…清潔な身で、そして何故か正座してバルクホルン大尉と向き合います。

「本日は…よろしくお願いします」
「ゴホン…ヘルマ曹長ではないか。今夜はよろしく頼むぞ」

似てない大尉のモノマネをして、バルクホルン大尉とベッドにin!

「バッ…バルクホルン大尉ぃ…」
「なんだ、水臭いではないか…『お姉ちゃん』と呼びなさい」
「でっ、でもぉ…」
「『お姉ちゃん』と呼ばなければ私は部屋に、戻っても良いんだぞ?」
「…おっ、お姉ちゃん…」
「ヘッ…ヘルマーーーーーッ!!!!」
「お姉ちゃーーーーーーんっ!!!!」

私の右手が下着の中へ…

「キャッ…お姉ちゃんどこ触って…」
「ヘルマもこれを期待しにここへ来たんだろう?」
「でっ、でも早すぎるよぉ…」
「私はもうヘルマに触れたくて触れたくて我慢できないんだ!」
「お姉ちゃんのエッチ…」

ベッドの上にて、ヘルマ妄想劇場が絶賛上演中!
シチュエーションとしては「密会しに来たお姉ちゃん(バルクホルン大尉)にベッドでイタズラされる私」。
欲求不満を爆発させます!


***


「はあはあはあ…お姉ちゃん、激しすぎるよぉ…」

これにて妄想劇場終了。
ちょっと落ち着いたら、処理をして歯を磨いて、そしてトイレへ行ってから寝るとするでありますかぁ…。
まずはパジャマを着るであります…

「あれ、パジャマどこに脱いだっけ?」
「…ベッドの下にある」
「そうでありますね………えっ??!!」

この部屋には私しか居なかった…はず!!??
でも今、ここに居るはずのない人の声が…!?

「ハハハハハルトマン中尉!?」
「打ち合わせしに来たんだけど…また明日にする」
「ちょっ…いつからいらっしゃってたんでありますか?!」
「………意味不明な事を叫ぶ辺りから」
「そっ…そんなぁ~!!」

まさか…一部始終を見られてたでありますか?!

「あの~ぅ…まさか、一部始終を…?」
「見てた」
「はあぁぁぁぁぁ!!!!」
「人間、誰でも欲求は溜まるもの」
「そんな事、淡々と言わないでくださいぃ…」
「大丈夫、口は堅いから」
「………」
「自分を慰めるのは当たり前」
「あぁぁぁぁぁ…っ!!」
「…バルクホルン大尉が好きなの?」
「…はい、そうであります」

いまさらここで否定してもしょうがない!
正直に話すであります…。

「でも、シュナウファー大尉はマルセイユ大尉が好きだと」
「何故それを?!あのおっぱい眼鏡大尉…!!許さんでありますっ!!!」
「…今日のこと黙っててあげる」
「はい、助かるであります(泣)」
「…でも条件がある」
「…はいぃ?」
「これ、買ってきて」

と一枚のメモを渡された私。

「…え?」
「何も言わないで。口外したらさっき自分を慰めてたのを」
「はい!喜んでぇ!!!(泣)」


***


【翌日】


私はオフであったのです…が、昨日の一件もありハルトマン中尉にある「お使い」を頼まれた私…。
休日なのになぜ軍服?という質問がありそうですが、軍服を着てとあるお店へ向かいます………。



帰ってきて早々、私はハルトマン中尉の研究室にお呼ばれされたであります。

「例の物…買ってきた?」
「あの…」
「…何?」
「あの、本当に…」
「何も言わないで」
「はっ…はいであります…」

スッ…と紙袋を渡すと、ものすごい勢いでそれを奪うハルトマン中尉。

「えと…あの…?」
「………」

わっ、私の事なんか一切無視でありますか??!!

「…いつまでそこに居るの?」
「えっ!?」
「お使いありがとう。これ、あげる…」

何故メントス!?
ハルトマン中尉からメントスのグレープ味をもらったであります!!

言われた通り部屋から出る私。
…でもなんか悔しいので、そっと部屋のドアを開けて見るでありますかぁ!


































「………♪」

珍しく歌を口ずさみながら…そしてかつてない程の笑顔で、お人形さんの髪の手入れをしているウルスラ・ハルトマン中尉。
え…えと、若干私の思考回路が…;;
ちなみに本日買ってきたのは、「お人形ハウス」。失礼ながらハルトマン中尉には似合わなそうな、感じがしますよね…皆さん?!

人間の趣味って…つくづくわからないなあと実感した一日であります!!(ビシッ



「…ヘルマ、いつまで見てるの?」
「ギクッ!!??」

【つづく】



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