Magic Box


「ドミニカ、起きてる?」
「起きてるなら開けてほしいな」
時刻は零時を少し過ぎた頃、部屋の扉をトントンとノックする音が私の耳に響く。
扉の向こうからはマルチナとパティの声。
一体、こんな時間に私に何の用だろう?
私が部屋の扉を開けると同時に、クラッカーの音が鳴り響いた。
「「ドミニカ、誕生日おめでとう!」」
と、朗らかな笑みで微笑むマルチナとパティ。
そうか、今日はもう12月6日――私の誕生日だったな。
「はい、これぼく達からのプレゼントだよ」
そう言って私に、人が1人入れそうな程大きい箱を差し出してくれるマルチナ。
「2人ともこれをわざわざ私のために?」
「うん。ドミニカならきっと気に入ると思うよ。じゃ、そういうことで」
「ごゆっくり~」
「お、おい」
私が礼を言う前にパティとマルチナは、その場を去ってしまった。
まぁ礼なら明日、食堂で会った時に言えばいいか。
そんなことを考えながら私は、プレゼントの箱を抱え上げベッドの上に乗せる。
……意外と重いな、何が入っているんだ?
飾りのリボンを解き、箱を開けると中には――

「大将! 誕生日おめでとうございます!!」
軍服の上からリボンをぐるぐる巻きにしたジェーンの姿があった。
参ったな。まさか本当に人が、それも私の最愛の人が入ってるとは。
「……フ」
リボンに身を包んだジェーンがあまりにも可愛らしくて私も思わず笑みがこぼれる。
「ちょっと! 笑わないでくださいよ~。これでも私、大将に何をプレゼントするかこの1週間ずっと悩んでたんですからね。
ボクシンググローブは去年のプレゼントだったし、時計は一昨年のプレゼントだったし……そこで、今年はパティさん達に
協力してもらって、私自身が大将のプレゼントになろうと思ったんです!」
と、可愛い顔して大胆な事を言うジェーン。
全く、そんな事言われたらこっちだってスイッチ入っちゃうじゃないか。
「最高の誕生日プレゼントだ、ジェーン」
私は箱の中のジェーンを抱え上げ、彼女をそのままベッドに押し倒す。
「大将……んっ」
ジェーンの唇に口付けを落としながら、リボンを解き、彼女の服を一枚一枚脱がしていく。
「……明日は竹井やドッリオ達に怒られるかもな」
「へ? それってどういう……」
「言葉通りの意味さ」
私は、もう一度ジェーンに深い口付けを落とす。
「大将っ……んんっ」
私も服を脱ぎ捨て、お互いに一糸纏わぬ姿で抱き合った。

さて、今夜は長い夜になりそうだ。

~Fin~


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