ヘルマと姫


キイッ...

「あ、ヘルマ」
「こんばんは…ご一緒してもよろしいでありますか?」

あ、どうも!第131先行実験t…この自己紹介、まだ要ります?ヘルマ・レンナルツ曹長です。
好きな食べ物はチョコレートです!(ビシッ

今夜も哨戒前のシュナウファー大尉と遅めのティータイムであります。

「………ヘルマって」
「はい?」
「ここ最近…丸くなったわよねえ」
「えっ…!?まさか太ったって…」
「違うわ、性格的に。前は規則規則って言ってたけど」
「いっ、いえ!カールスラント軍人としての誇りは捨ててません!!」
「はいはい…お茶、お代わりいる?」
「はい!ぜひ…でも何故そのような話を?」
「ねえ、ハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタイン大尉って知ってるかしら?」
「ハ…ハインリーケ・プリン…え?」
「ハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタイン大尉」
「…あ、ハインリーケ大尉!確かシュナウファー大尉の宿敵で、廊下ですれ違うと睨みつけ合うとか」
「あなたも読んだのね…」
「はい!」

すると何処からか大尉は週刊誌を取りだしたであります!

「この間発売された週刊誌で特集組まれてありましたよね~…『本誌独占 ナイトウィッチ、真の女王対決』って」
「はああ…そのせいでかぁ…」
「何なに、シュナウファー大尉がハインリーケ大尉の目の前にして大声で悪口を言ったって書いてありますが…本当でありますか?!」
「ウソに決まってるじゃない!!!」
「ハインリーケ大尉がシュナウファー大尉が嫌いで今月末に502部隊に転属か?!と書いてあるであります」
「それもウソ…」
「シュナウファー大尉も除隊し、婚約予定?!そして妊娠4カ月…え!?結婚するんでありますか?!デキ婚でありますか?!社会的地位は低いでありますよ、デキ婚は!」
「あるわけないじゃない!!!!相手は誰よ、相手は?!」
「そして両者の派閥争いが激しい…と書いてあるであります」
「それは…あながち間違いじゃないわね」
「へ…???」
「別に私はあの人に対して特に何も思ってないんだけれど…あの人、なんかコワいしそれに週刊誌でこんな記事書かれちゃったら…ねえ?」
「一体…どんな人なんでありますか?そもそもナイトウィッチって私と関わりあるのってシュナウファー大尉しか…」
「…ほら」

若干、呆れ顔で窓の外を指さすであります。
指差す向こうには………

「ブッ!!!」
「ちょっ、こぼさないでよ、もう…」
「きっ、気付かなかったであります!!何者ですか、あの方は!!??」

ナント、木に登ってずっと私たちの事を外からハインリーケ大尉が見ていたであります!!


「ジーッとこっちを見てるでありますよ?;;」
「はあ…だから…」
「入ってもらったらいかがですか?」
「…良いわ、開けて頂戴」
「はい…」

私は指示された通り窓を開けるや否や…

「ハイデマリー・W・シュナウファー大尉ぃ!!!!」
「ひいっ??!!」
「…はあ…何か御用でしょうか?」
「妾と決闘を申し込む!!」
「…決闘って、どんなのよ?;;」
「チェスだ!」
「意外と普通…でありますね;;;」

すると突然、ハインリーケ大尉がこっちに…

「この小娘は誰なんだ、シュナウファー大尉!?」
「こっ、小娘?」
「ヘルマ・レンナルツ曹長よ」
「よし、お主は出てけ!」
「えぇぇっ…」
「あのねえ!ハインリーケ大尉!!」

急に立ち上がったシュナウファー大尉…
あれ、怒ってる…?

「私たちは今、楽しみながらお茶を楽しんでたの!!あなたずっと外から見てたからわかるでしょう?!この際だからはっきり言います、邪魔しないで!!」
「ハインリ…じゃない、シュナウファー大尉…?名前が長いから間違えたであります;;」
「わっ、妾はただ…ただっ!!」
「ただ何?私に対していっつも怖いけど、何かあなたに悪い事した?!」

んっ!?
ハインリーケ大尉…手に何かを隠し持ってるであります…

「もうやめて!!同じナイトウィッチだけど…今後一切、仕事上だけの付き合いにしてくれる??!!」
「シュナウファー大尉…ちょっと」
「何、ヘルマ?」
「…ハインリーケ大尉、あなたはただシュナウファー大尉と仲良くなりたかっただけじゃありませんか?」
「っ!?なっ、何故それを!!」
「手に持ってるそれであります…」

そう、ハインリーケ大尉が持っていたのは…!!

「それって…百貨店の紙袋でありますよね??」
「うっ…」
「どうゆう事、ヘルマ?」
「わっ、妾は…お主と一緒にこのハイビスカスのハーブティーを飲もうと思っていたのだ…」
「眼球疲労にとても役立つそうです。この間、町へ出かけた際に売ってたであります!」
「えっ…うそ…つい、私にケンカを吹っかけてきたのかと………ごめんなさい」
「ふっ、ふん!別にお主のために買ってきたのではない!!!!」

うわあ…典型的なツンデレでありますね;;
しかもさっき「お主と一緒に」って言ったのに、それを否定するでありますか?!

「…ヘルマ、お湯を沸かしてくれるかしら?」
「はっ、はいであります!」
「それに…椅子をもう一つ持ってきて頂戴。ハインリーケ大尉が座る席がないでしょ?」
「シュナウファー大尉…」
「素直に最初っから言えば良いじゃない、お茶を飲もうって」

あ…良かったぁ…シュナウファー大尉に笑顔が戻ってきたであります!!


***


数日後、私は食堂でシュナウファー大尉と出会ったので話しかけたであります。

「仲良くなったのでありますか?」
「う~ん…まあね。まああのプライドの高さとツンツンさは残ってるけど」
「まあ…良かったんじゃありませんか?」
「まあねえ~。あんなに馬鹿にしてたナイトウィッチの無線通信コミュニティもこっそり始めたり、さりげなくmixiも始めてたり」
「あはははは…」
「あ、私は会議があるから行ってるわね」
「はい!」

シュナウファー大尉を見送った後、とりあえず席に座る私。
ん…何か熱い視線を感じるであります…???
その視線のする方へ向くと………

「…ぶっほ!!??」

柱の影からハンカチを噛みながらこっちを見ているハインリーケ大尉が!!
いくらなんでもステレオタイプじゃありませんか??!!
そう思ってると、ズカズカとこっちに来るでありませんか!!;;

「ヘルマ・レンナルツ曹長!!!!」
「はっ、はいぃぃぃ??!!」

あまりの迫力に声が裏返ったであります;;

「おっ………」
「お…?」
「お主に決闘を申し込む!!!!」
「えぇぇぇっ??!!」
「あっ、あんなにシュナウファー大尉と仲良くと…っ!!」

ん…っ?
もしかしてハインリーケ大尉って…

「…あ、そうゆう事でありますか!」
「何を考えておる??!!」

なんか面倒な事になりそうであります………。


【おわれ】



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