marriage blue


「へえ、リーネちゃんのお姉さん、結婚したんだ」
「うん……私も話聞いてびっくりしちゃった。突然なんだもん」
「そっかあ。結婚かあ……」
「どうしたの芳佳ちゃん?」
「私達もいずれするのかなと思って」
「えっ、私と? そ、そんな無理だよ……法律的に」

「と言う訳で、私達、将来の結婚のために訓練する事にしました」
「お前も唐突だな宮藤」
「ウジャー とうとつー」
「シャーリーさんとルッキーニちゃんも居るから、ちょうど良いです。ここはみんなで訓練です」
「結婚の訓練って、何をどう訓練すりゃいいのさ」
「例えば料理に家事全般に……」
「ギニャー いやーだー! めんどくさーい!」
「まったく宮藤さんと来たら、いつも計画性が無いのですから……」
「甘いですよペリーヌさん。そう言われるかと思って、きちんと準備してあります」
「? 準備って何を?」
「おー、全員居たか。お前達何をやって……」
「噂をすれば坂本さん! お願いしますっ! 私達の訓練相手になって下さいっ!」
「何っ!? 何の訓練だ? 訓練と言えば朝にやった走り込みや腕立て、剣の素振り……」
「違います坂本さん。これは坂本さんにしか出来ない事なんです。一生に一度の私のお願いを聞いて下さい」
「な、なんかヤケに必死だな宮藤。どうした?」

「と言う訳で準備できましたー。どうです凛々しいでしょう坂本さん」
「何も男物のズボンを用意しなくても良いだろう宮藤。足の感覚が妙だぞ。太股に布が当たってすれる……」
「まずは形からです。雰囲気です」
「宮藤さん貴方! 少佐で何遊んでらして!?」
「ペリーヌさん、何で少佐を直視しないんです?」
「坂本さんはいつも通りで良いんですよ。じゃあ、まずはペリーヌさんから」
「へっ? なぜわたくしが最初に?」
「ささ、どうぞ。ガリアの淑女の魅力をばばーんと。さあ、坂本さんの横に」
「え? ……わたくし、横にと言われましても、一体何をすれば?」
「私も何をすれば良いのかさっぱり分からんぞ宮藤。記念撮影でもするのか」
「坂本さんはいつも通りで良いんです。何でしたらこれをどうぞ」
「何だこの瓶は?」
「あの、少佐……?」
「さあ、ぐいっと」
「毒じゃないだろうな」
「上官に毒盛るウィッチなんていません」
「まあ、そうか。では貰おう」

「あの、少佐? 何故お黙りになるのです? わたくし、何かいけない事でも」
「ふっ……」
「少佐、なぜ、お笑いになるのです? わたくし、何か問題でも」
「ペリーヌは優しいな」
「えっ……いえ、そんな事は」
「そして可愛いな」
「ちょっ……少佐……顔が近すぎます……ああっ」
「ウギャー ペリーヌが倒れた」
「耳元にキスされたら、普通はああなるわな」
「ルッキーニ、来い! 私と遊ぶか!?」
「へっ? 少佐いきなりどしたの?」
「ならば私から行くぞ、ルッキーニ! わはははは!」
「ギャー 少佐がぁー タスケテー」
「ちょっ、少佐? ルッキーニが……嗚呼」
「ふむ、シャーリーはルッキーニが心配なのか」
「そうやってさりげなくあたしを抱き寄せるの止めて貰えませんか少佐」
「流石部隊一だけ有るな! 魅力的だぞシャーリー!」
「誉めてるんだか単に酔っぱらってるだけなのか……宮藤、少佐に何飲ませたんだ」
「ウォッカを」
「おい! 一番きっついやつじゃないか! どっから持ってきた?」
「サーニャちゃんの部屋から」
「何でサーニャがこんなもの持ってるんだ」
「戦車の燃料代わりになるみたいですよ」
「誰が戦車使うんだよ」

「ふむ、大きさもかたちも世界一だなシャーリー」
「ちょっ! さりげなく上着脱がさないで下さいよ! 何してるんですか少佐!」
「ここにちゅー」
「うはっ……あっ……。ちょっとやめて下さいって、みんな見てるじゃないですか」
「照れるなシャーリー。私の命令が聞けないのか」
「そもそも何も命令されてませんて」
「じゃあシャーリーの胸は私のものだぁー」
「いやーだー! シャーリーはあたしのだもん!」
「良いだろうルッキーニ、勝負だ!」
「二人とも、あたしで争うのやめてくれ!」
「わあ、なんかシャーリーさんが悲劇のヒロインみたいに」
「ちょっと違うと思う、芳佳ちゃん……」
「そうかな?」
「それに芳佳ちゃん……。少佐、おかしくない?」
「飲んだらいつもあんな感じだよ、リーネちゃん」
「飲んだらって……」
「貴方達、騒がしいと思ったら一体何を……ッッッ!!!」
「あ、ミーナ中佐」
「ミーナ中佐、入って来るなり鼻押さえてどうしたんです? なんか鼻血出てるみたいな……」
「そんな服で居るなんて、卑怯よ美緒ッ!」
「お酒飲んでないのにミーナ中佐もおかしくなってきたね」
「どうしよう芳佳ちゃん」
「おお、ミーナ。いま乳比べをしてたのだ」
「……は? 乳?」
「シャーリーが一番なのは認めるところだが、なかなかリーネも……」
「いやあ助けて!」
「坂本さん、リーネちゃん離して下さい!」
「美緒、貴方一体何やってるのよ! リーネさんから離れなさい!」
「私の魔眼は誤魔化せんぞリーネ、また成長したな!」
「なっなんで知ってるんですか!?」
「え、そこ芳佳ちゃんが驚くところ?」
「止めなさい坂本少佐。これ以上の騒動は許しません」
「じゃあミーナも騒動に加わればいいじゃないか」
「何馬鹿な事言ってるの……え? 美緒、何を!?」
「うーむ。ミーナもなかなか素敵な……」
「やめーてー美緒ー! 皆が見てるわっ」
「大丈夫だ、この前みたいに唇にはしないから」
「!!! やっぱりあれ覚えてたのねっ! 酷いッ酷いわ!」
「じゃー、ほっぺにチュー」
「……あ、ミーナ中佐が倒れた」
「おい、犠牲者が増えたぞ!」
「どうしようリーネちゃん」
「うう……私お嫁に行けない」
「大丈夫、私がお嫁さんになってあげる」
「えっ?」
「ウジャー どうするシャーリー……」
「こう言う時に限って、バルクホルン達は何してるんだ、それにエイラとサーニャも?」
「部屋から出てこないし『呼び出し厳禁』とか部屋の扉に張り紙が……」
「あ、あいつら……」
「うわはははは、わしょーい烈風斬!」
「おい、所構わず何か斬り始めたぞ! 少佐やめてくれ!」
「だれかとめてー」
「芳佳ちゃん……」
「リーネちゃん……のおっぱ」
「えっ?」
「ううん何でもない、私幸せだよ?」
「有難う芳佳ちゃん」
「で、あの少佐どうすんだよ宮藤」
「それは、しりません」
「そりゃあたしの台詞だ」

end


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