ハートの誘惑


「エイラ」
「んー? なんだー?」
「いつまでそうしてるの?」
「んー… もうちょっと」
「昨日もそういって結局やめなかったじゃない」
「だぁってさぁ……」
「だって……?」
「せっかくサーニャからハートのチョコレートもらったんだぞー?」
「いいから早く食べて」

えー、とか言いながらにへにへ。
にへにへしながら足をぱたぱた。
ぱたぱたしたらベッドの上をコロコロ。
嬉しいのはわかる。むしろ喜ぶ顔を思い浮かべながらチョコを作ったの。
でもそろそろこっち向いて。かまってくれなきゃ寂しいんだから。

「ねぇエイラ」
「んー?」
「ねぇったら」
「なんだー?」
「……もう」

だめだな。これは。
このままだとなにもせず終わっちゃうわ。
今日もかまってあげなきゃいけないのね……。

「なんだよー」
「たいくつなのー」
「んー… ってお、おい!」
「えーいーらー」
「や、やめ、頭の上でしゃべらないで!」
「じゃあぎゅー」
「ちょっと、サーニャ!」
「頭の上じゃないもん。背中の上だもん」
「背中もダメー!」

そんなこと言ったってもう遅い。今日の私の居場所はここに決めた。
ぎゅーってしてすりすりすることに決めた。

「もー、サーニャー!」
「なあにーエイラー」
「すっごく棒読みだぞ!?」
「今日だけだかんなー」
「そっか今日だけー、ってそれ私のセリフ!」
「じゃあ、そのセリフをどうぞ」
「あうっ!?」

ふふ、赤くなっちゃって。
エイラ、かわいい。

「き」

言い終わると同時に抱きしめちゃおうかな。

「き…」

それから、ほっぺにキスして。

「ううう~…!」

いっぱい、甘えて――

「きゃあっ!」
「今日は私がリードするんだああああああああ!!」
「ちょっと、エイラ!? んむっ!」
「サーニャ…」

体勢を入れ替えられて身体はエイラの下、腕は顔の横で拘束されていて、唇はエイラに封じられ。
…どうしたのエイラ、今日は本気じゃない。
手つきはおぼつかないけれど。
いいよ、きて。

「だいすきよ、エイラ」



END


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