tickles


「ねぇアメリー」
「何ですか? ペリーヌさん」
「その……あなた、少しひっつきすぎじゃない?」

現在の時刻は23時57分、日付の変わる3分前――私とペリーヌさんは1つのベッドに向かい合うような形で横になっていました。
「えへへ、ここにいればペリーヌさんの誕生日を一番に祝えますから」
「ええ。それはありがたいんだけど、その……こうもベッタリされると、なんだか恥ずかしいですわ」
そう言って、頬を朱に染めるペリーヌさん。
わぁ、ペリーヌさん、照れちゃって可愛いな。
私はそんなペリーヌさんの胸に耳を当てて、胸の鼓動を聞いてみる。
「本当だ。ペリーヌさん、すごくドキドキしてますね」
「ふぇっ!? だ、だから! ひっつきですって~」
「……ペリーヌさんは、私にひっつかれるのイヤですか?」
「別に、悪い気はしませんわ。むしろ嬉しい……って、何言わせてるのよ」
「ふふふ……あっ!」
「どうしたの?」
「0時になりましたね」

部屋の時計を見ると、長針と短針がてっぺんで重なり合っていた。
今日は2月27日――私の大好きなペリーヌさんが生まれた日。
「ペリーヌさん、誕生日おめでとうございます」
「……ありがと」
「これ、私からのプレゼントです」
私は寝巻きのポケットからプレゼントを取り出し、それをペリーヌさんの耳に付ける。
シンプルな形の銀色のイヤリングだ。
「イヤリング?」
「はい。わぁ、すごく似合ってますよペリーヌさん」
「……本当にありがとう。正直あなたや501のみんなと逢うまでは、自分の誕生日というものに意味が持てなかったわ。
私には誕生日を祝ってくれる家族がいなかったから……でも、今は本当に嬉しい……家族と同じくらい大切な人に祝ってもらえて」
と、どこか寂しげな表情で語るペリーヌさん。
「ペリーヌさん……」
何だかしんみりした雰囲気になっちゃいました。
こういう時はどうすればいいんだろう……あっ、そうだ。
私は思いついたある事を実行するために、ベッドに侵入する。
「ペリーヌさん、ちょっとごめんなさい」
「へ? ア、アメリー!?」
私はベッドに潜り込み、ペリーヌさんのお腹の辺りをこちょこちょとくすぐる。
「ちょ、ちょっとアメリー!? く、くすぐったいですわ……ふふっ」
「あ、笑ってくれた」
「え?」
「その……私、とにかくペリーヌさんには笑っててほしいんです。だって、私ペリーヌさんの笑顔が大好きだから」
私がそう言うと、ペリーヌさんは顔を真っ赤にしながらこう呟いた。
「ま、全く、あなたという人は……お返しですわ」
今度はペリーヌさんがベッドに潜り込んで私のお腹をくすぐってくる。
「あぅ……ペ、ペリーヌさん! そこはダメですよ~……ふふふ」
「ふふっ、観念なさいアメリー」
「や、やめてくださ~い……あはは」

――ねぇペリーヌさん、私たちこれからもずっと一緒に笑いあえたらいいですね。

~Fin~


コメントを書く・見る

戻る

ストライクウィッチーズ 百合SSまとめ