snare


 陽射しもようやく落ち着いてきた午後。
 誰も居ない食堂で、ジュース片手にお喋りに夢中になる二人。
 ブロンドの自称「天使ちゃん」は、オラーシャの娘を前に色々話を聞かせる。
 それに呼応して銀髪の「天使」は、くすくす笑ったり、言葉を返す。
 いわゆる「かしましい」状況がそこにあった。

 だが会話の途中不意に、顔色を曇らせるサーニャ。
「どしたのサーにゃん」
 首を傾げたエーリカはサーニャの顔を覗き込む。サーニャはエーリカの目をちらちらと見ながら躊躇いがちに言った。
「……エイラの事なんだけど」
「エイラねえ。またヘタれたとか?」
「違うの。私の為に、無理とか無茶し過ぎなんじゃないかって」
「無理に無茶、ねえ」
 エーリカは自分の髪の毛をくるっと巻いたりして遊んでいる。
 思い出すのは、高高度迎撃戦……エイラが無理矢理サーニャを護ったと言う、あの事。その他、色々。
「エイラって元々そう言うキャラじゃん」
「キャラって……」
「あーでも、分かるよ。好きな人の為に精一杯になる気持ちは」
「そう、ですよね。ハルトマンさんも、マルセイユ大尉と決闘した理由……」
「あー、あれね」
 いつぞやの“対決”を思い出し、照れ笑いするエーリカ。
「手強かったよ」
「マルセイユ大尉が?」
「勿論トゥルーデに決まってるよ」
 サーニャの質問に茶化すエーリカ。ふっと笑うサーニャ。しかし、胸に手を当て、呟いた。
「でも、私、たまに見ていて辛くなる事が有るんです」
「それはサーにゃんもエイラの事を大切に思ってることの裏返しじゃないの?」
「……」
 言葉に詰まるサーニャ。
「じゃあ、確かめてみる?」
「どうやって?」

 二十分程待っていると、埃まみれになったエーリカが部屋から出て来た。
「スーパーセクシーギャルの魔法の薬だよ」
 にやっと笑うエーリカ。
 化粧水の小瓶らしきものに入った謎の粉。
「それは一体?」
「前にウーシュから送られて来たんだ。何でも人の記憶を操作出来るって言う……」
「そんな物騒な」
「でしょ? それに冗談だと思って、何もしてなかったんだけど」
「で、それを?」
「お互い、使ってみようよ」
 エーリカは口の端を歪めた。

 訓練の合間、椅子に腰掛けたままうたた寝をしているトゥルーデの脇にささっと忍び寄るエーリカ。
 小瓶の封を解き、粉をトゥルーデの鼻先にふっと吹きかける。
「トゥルーデは私の事を忘れる。トゥルーデは私の事を忘れる。エーリカ・ハルトマンなんて知らない」
 ぼそぼそと繰り返す。うなされた様に「う、うん、うーん……」と唸るトゥルーデ。
「使い方はこんな感じ。で、私隠れるからサーにゃん、トゥルーデ起こしてみてよ」
「は、はい……」
 言われた通り肩にそっと手を掛けると、トゥルーデは、かっと目を見開き、何事かと辺りを見回した。
「な、何だサーニャじゃないか。どうした、何か急用か?」
「いえ。あの、ちょっと聞きたい事が」
「ああ。何でも言ってみろ。相談に乗るぞ」
「ハルトマンさんの事なんですけど」
 “愛しの人”の名を聞いたトゥルーデは、一瞬溜め息を付いた後、きょとんとした顔をしている。
「?」
「あの、バルクホルンさん?」
「誰だ、それは?」
「えっ」
「そんな奴知らないぞ。有名な奴なのか? 軍人か? ……ん。私は何で指輪なんて付けているんだ」
 ふと、自分の手を見て、指に煌めく指輪を不審に思うトゥルーデ。
「誰だ、私にイタズラしたのは。……まあいい」
 トゥルーデは指輪をそっと外すと、大事そうに上着のポケットにしまった。
「バルクホルンさん、それ……」
「後で皆に聞いてみるか。誰かの大事なものだろうからな」
 そう言うとトゥルーデは立ち上がった。
「あの、どちらへ?」
「ストライカーの調整で、整備員に言い忘れていた事を思い出した。ちょっとハンガーに行ってくる。
そうだ、何か相談が有るならいつでも私に言ってくれ。何でも聞くからな。501は家族だ、だから私を姉だと思って良いんだぞ」
 トゥルーデはそう言って、部屋から出て行った。
 隠れていたエーリカは、こそこそと姿を現すとサーニャに言った。
「ね。私に関する一切の記憶を無くしてる」
「ねって、ハルトマンさんの事、まるで存在すら無いかの様に」
「そう言う薬だもん」
 説明するつもりが、少し強い口調で言ってしまうエーリカ。何故自分でもそんな気分になるのか分からない。
「あ、ゴメン、サーにゃん。サーにゃんに怒る事じゃなかったね。じゃ、エイラも試してみようか」
「う、うん……」

 エイラは自室でぐっすりと眠っていた。
「やり方は私のを見ての通り。やってみて……やっぱりやめる?」
「ううん。エイラにとって、それが良いなら」
「じゃあ、やって」
 サーニャは意を決して、エイラの枕元に立ち……小瓶から粉を少量出し、ふっとエイラの顔に吹きかける。
「エイラが私の事を忘れます様に」
 うーん、とエイラが唸る。それっきり、変わらぬ寝息を立てる。
「さ、行こう。後でどうなるか、見物だよ」
 エーリカは小瓶を受け取ると、ポケットにしまった。

「おッ、見ない顔ダナ。新人カ? それともお客サン?」
 夕食時、食堂でばったり顔を合わせたエイラとサーニャ。エイラは初めて出会ったかの様に言った。
「エイラ……」
「えっ何で私の名前知ってるンダ? 気味の悪い奴ダナ」
 エイラは興味無い、と言った感じで自分の席に着いた。
「エイラ、お前新しいジョークでも思い付いたのか?」
 シャーリーが声を掛ける。
「何の話ダ?」
「全く、からかうのも大概にしておけよエイラ」
 トゥルーデも席に着き、エイラに小言を言う。
「何だヨ大尉二人して。私をからかおうってのカ?」
「はあ? どうしたエイラ」
「サーニャをあんまり虐めるのは良くないぞ」
「誰だソレ? 虐めるも何も、初めて会った奴にどうすれば良いんダヨ」
 それを聞いたシャーリーとトゥルーデは顔をひきつらせた。
「ちょっと、堅物……エイラ大丈夫か?」
「これは問題だなリベリアン。まさかケンカでもしたのか、それとも……」
「あれ、何か有ったの?」
 何食わぬ顔をしてエーリカが隣に座った。
「ああ、ハルトマン、聞いてくれよ。エイラ、またサーニャとケンカしたみたいなんだ」
 シャーリーがサラダをもしゃもしゃと食べながらエーリカに言う。
「へえ~」
 あくまで平静を装うエーリカ。
「まったく、いつもは磁石でも付いてるかの様に仲が良いのに、喧嘩してどうするんだ……で、リベリアン」
「ん? どうした堅物」
「こいつは誰だ? 見た所カールスラント軍人に見えるが。501の来客か?」
 エーリカを指して真顔で聞くトゥルーデ。
「はあ!? お前は何を言ってるんだ」
 驚いてがたんと椅子から立ち上がるシャーリー。
「何をそんな大袈裟な。……有名人なのか?」
 平然と構え、料理を口にするトゥルーデ。
「堅物までおかしくなっちゃったのかよ!」
 シャーリーは頭を抱えた。
「大丈夫、シャーリー。理由は後で話すから」
 エーリカがシャーリーのすぐそばに近寄り、ひそひそ声で説明する。
「おい、また何かやらかしたのか」
「ちょっとした実験。大丈夫」
「ホントかよ」
「今、トゥルーデとエイラ、少し言動がおかしいけど気にしないで」
「しないでって言われてもなあ。あたしらが気にするよ」
 戸惑いを隠せないシャーリー。
「そこで何を喋っている? 食事の時間はきちんと食事に専念しろ。来客か誰かは知らないが、お前もだぞ」
 エーリカに言うトゥルーデ。言葉がきつい。

 エーリカとサーニャは、示し合わせて空き部屋に寝具を持ち込み、寝ることにした。
 ヘタに接触してしまっては「実験」が台無しになると言う理由。だが、それよりも……
 エイラもトゥルーデも、態度がきつい。それが妙に、心の隅にちくちくと刺さる。微かに見えるだけで抜けない棘の様に。
「みんな、何も言わなかったけど……」
 心配顔のサーニャに、エーリカは強がって見せた。
「大丈夫、ミーナも少佐も『程々に』って言う程度だし。明日には直ってるんじゃない?」
「だと良いんだけど」
「大丈夫だって。さ、寝よサーにゃん」

 だが翌朝になっても、トゥルーデとエイラは変わらなかった。
「さて、今日も元気に訓練だ」
「あー、面倒ダナ」
 本人達は全く変わらない様子だが、周囲は心配していた。
 皆、何かを言おうとするも、エーリカとサーニャにそれとなく雰囲気で止められ、言うに言えない。
 エイラは一人気ままにさっさと食事を済ますと、他の隊員達には興味ないとばかりにさっさと席を立ち、食堂を去った。
 トゥルーデも普通に食事をしているが、その「普通」の感覚がより不気味に、そして奇異に映る。
「何だ、私に何か問題でも有るのか? リベリアン、言いたい事が有るならはっきり言ったらどうだ」
 そんな皆の態度を不審に思ったのか、シャーリーを名指しして問うトゥルーデ。
「いや、お前さ。何かすんごい大切な事、忘れてね?」
 朝食の蒸かし芋を一口食べながら、質問に質問で返すシャーリー。
「大切な事? ……はて、何か有ったか?」
 腕組みし、真面目に考え始めるトゥルーデ。
「訓練プログラムは問題無い。食事当番も確認済みだ。スケジュールも……」
 一通り考えを巡らせた後、トゥルーデは真顔で答えた。
「何も無いぞ」
「おい! ちょっと大丈夫かよ……」
「生憎だがお前に心配される程、私はまだ耄碌してないからな」
 シャーリーの不安を鼻で笑うと、シャーリーの後ろ、トゥルーデから見えない位置に座っていたエーリカに向き直って、厳しい言葉を投げかける。
「で、そこのカールスラント軍人。せめて名前位は名乗ったらどうだ。昨日からずっと私の事を見てる様だが。監視員か?」
 何か言おうとするも、咄嗟に言葉が出ない。ジョークを言える雰囲気ではなかった。
「何処の所属か知らないが、名前すら名乗らず、勝手につきまとうとは失礼じゃないか? 後で本国軍に照会するからな」
 そう言うと、不機嫌そうにトゥルーデは席を立ち、早足で去った。
「ハルトマン、大丈夫かよ……」
 シャーリーは呆れ気味にエーリカを見る。
 「うーん。流石にちょっとまずいかもね」
 言葉こそ余裕だが、困った表情をしている。事態は思ったよりも深刻だ。
 エーリカはサーニャを見た。エイラとの関係が「無」になったサーニャは、どうして良いか分からない表情をしている。
「なあ、ハルトマン。何をしたか知らないけど、これは流石にまずいんじゃないか? 他の奴等もおかしいって気付いてるし
余計にややこしくなったら……」
「大丈夫」
 とだけ言って、エーリカはサーニャの手を取り、食堂を後にする。
 残された隊員達は、微妙に気まずい空気の中、もそもそと食事を続けた。

「さすがに、まずいですよね……」
「ちょっと、薬がきつすぎたかな。予想以上だね」
 基地のテラスで、ぼんやりと呟くエーリカとサーニャ。
 ちょっとした悪戯心、そして漠然とした不安感から決行した今回の「実験」は、エーリカとサーニャに想像以上のダメージを与えていた。
 そよ風が二人の髪を撫でる。不意にやってきた一陣の風が、整えられた髪を掻き乱す。
 んもう、と愚痴りながら髪をかき上げるエーリカ。サーニャも両手でそっと髪を直す。
 ぽつりと、手摺に肘を付き、呟くサーニャ。
「本当に、私の事、わすれちゃったのかな……」
「サーにゃん、忘れて欲しいって言ってたじゃない」
「でも、実際、忘れられると……」
 エーリカは寂しげに笑った。
「サーにゃんらしいね」

「あ、こんな所に居タ!」
 早足でやって来たのはエイラ。サーニャを無視してエーリカに詰め寄ると、いきなり怒り始めた。
「何か私にイタズラしたって本当カ? 一体何したんだヨ?」
「え、何の事?」
「シャーリーや皆に聞いたゾ。私に何のイタズラしたか言えヨ!」
「いやー、悪戯じゃなくて、簡単な実験?」
「勝手に人の身体で実験スンナ!」
「身体じゃないんだけどね」
「余計にタチが悪いゾ!」
「やめてエイラ。もう良いの」
「何だヨお前。……てか、この前からずっと気になってたけど、誰コレ?」
「エイラ……」
 赤の他人を見る様な……しかもまるで興味ないと言った風に自分を見るエイラ。サーニャはそんな彼女を見ていられなくなった。
「イヤマア、そりゃ、なかなかの美人だし気になるけド、コイツ何て言うか……アァモウ!」
 頭をかきむしるエイラ。
「もういい、エイラ」
 耐えられず、立ち去るオラーシャ娘。髪を靡かせ、背を向ける。
「まっ、待ってサーニャ!」
 ぽろっと、名前が出る。
「ん? サーニャ? ……そうだ、サーニャ。サーニャ!」
 久々に愛しの人から呼ばれる事が、こんなに嬉しい事とは思わず、サーニャは立ち止まったまま、服の袖で目を擦る。
「エイラ、分かるの? 私の事」
「何言ってるんだバカ。忘れる訳無いダロ?」
「良かった、エイラ……」
 涙ながらに抱きつくサーニャ。
「うわ、大丈夫カ。何が有ったんだサーニャ。もしかしてハルトマン中尉に悪戯されたのか?」
「それ、エイラ」
「えッ?」
 エイラが振り返ると、エーリカの姿は無かった。

 トゥルーデは自室でひとり報告書を書いていた。
 扉が開く。
「ノック位しろ」
「ここ、私の部屋だもん」
「だからお前は誰なんだと聞いている」
「思い出すまで教えない」
「思い出すも何も、初対面でそんな事無いだろう。私はエスパーか? 良いから私の邪魔はするな」
「トゥルーデ……」
 びくりと肩を震わせ、椅子から立ち上がる。
「!? 何で私の、その呼び方を知ってるんだ」
「やっぱり、本当にそっくり忘れちゃったんだね、トゥルーデ」
 悲しそうなエーリカの顔を見て、トゥルーデはペンを置き、立ち上がった。
「……もしかして、私の知り合いか?」
「そんなんじゃないよ!」
 怒るエーリカ。
「いや、でも、その顔を見ていると……待て!」
 部屋から出て行こうとするエーリカの腕を握る。
 エーリカの目に、うっすら涙がにじむのを見て、思わずトゥルーデは抱きしめた。
「お前が誰かは知らない。でも、過去に大切な関係であったなら」
「……」
「最初から、もう一度、お互いの事を知るのも良いんじゃないか? その、名前とか、そう言う……」
 エーリカが身をトゥルーデに寄せた。少しよろける。
 エーリカのがらくたに身体が当たり、どさどさっとモノがトゥルーデの「エリア」に侵入する。
「わ、私のジークフリート線が!」
 トゥルーデは仰天した。そしてエーリカに言った。
「ジークフリート線は何人たりともも超える事は出来んのだ、ハルトマン! ……ん? はると、まん?」
 自分の腕の中に居る、小柄な娘を見る。そして、頭の中の曇りが一気に晴れる。
「え……エーリカ。エーリカ」
 ぽつりと、名を呼ぶ。繰り返し、反芻する。
「その呼び方、聞きたかった、トゥルーデ」
 エーリカは涙を拭いて、そっとトゥルーデにキスをした。

 事の顛末を聞かされたトゥルーデとエイラは、ベッドの上に正座するエーリカとサーニャを見、溜め息を付いた。
「そんな事をしていたとは……私達を一体何だと思ってるんだ」
「止めろヨ、こんな事。誰が得するンダヨ」
 口々に文句が出てくる。
 エーリカとサーニャは声を揃えて答えた。
「反省してます」
「してます」
「全く……このまま私達が忘れたままだったらどうするつもりだったんだ」
 呆れるトゥルーデ。エーリカは言った。
「それは、トゥルーデ言ってたじゃない。もう一度初めからって」
「わ、私はそんな事言ったか?」
 急に焦るトゥルーデ。エーリカはエイラに理由を聞いた。
「で、エイラはどうしてサーにゃんの事どうして思い出したんだい?」
「頭の中でずっとモヤモヤしてて、何も思い出せないケド、サーニャが立ち去るの見て、そのまま行かせたらダメだって、
頭の中で声がした。気付いたら思い出してタ」
「なるほどねえ。で、トゥルーデは?」
「エイラと似た様なものだ」
「でも大尉、指輪は外してもずっと大切に持ってたんだナ」
「これは……何か、大事に持っていないといけない気がしてだな……」
 エーリカがトゥルーデの指輪を手に取り、もう一度指にはめる。
「これで元通り。ね?」
「それで良いのか」
「良いの良いの」
 一瞬の間。トゥルーデとエイラは立ち上がり握り拳を作る。
「と言うか、良い訳無いだろう!」
「そうだゾ? こんな屈辱、と言うかアブナイ事しちゃダメじゃないカ!」
 怒るトゥルーデとエイラ。二人に向かって、エーリカがにやっと笑う。
「じゃあ、今度は私達が二人を忘れる?」
 聞いたトゥルーデとエイラは仰天した。
「絶対に許さん」
「それは勘弁してクレ」
 二人の言葉を聞いて、エーリカはにしし、と笑う。
「ね、サーにゃん」
 エーリカはサーニャにウインクして見せた。
「やっぱり、大事なんだよ。分かった?」
「うん。何かハルトマンさんに迷惑掛けちゃったみたいで……」
「いいのいいの。サーにゃんだし」
 くすっと笑い合う二人。
「とりあえず、お前は反省しろ、エーリカ」
「行こうサーニャ」
 トゥルーデとエイラは、それぞれ「愛しの人」の腕を取った。
「サーにゃん、ミヤフジが前に言ってた扶桑の諺。『雨が降って地面が固くなる』って話。こう言う事じゃないかな」
「なるほど」
 くすっと笑うサーニャ。エーリカとサーニャに嫉妬したのか、エイラはぐいと腕を引っ張り、部屋を出て行った。
 部屋に残されたエーリカとトゥルーデ。
「ごめん、トゥルーデ」
 溜め息をひとつついたトゥルーデは、苦笑した。
「分かった。もう良い。もう良いんだ、エーリカ」
 そっと抱きしめ、口吻を交わした。
 一日ぶりのキスが、とても愛おしく感じる。
 今頃はサーニャとエイラも、同じ気分であるに違いない。きっと。

end



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