二人の大尉と一人の新人
二人の大尉と一人の新人
「いつも思うんだがお前は堅すぎるぞ…服部」
いつもと変わりのない午後、イェーガー大尉は突然言った。
「服部、ちょっと付き合ってくれ これから本物の軍人の会話というやつを見せてやる」
そう言って立ち上がった大尉に私は連れられ、ある方の部屋に来たのだが…
「元気か?シスコン堅物軍人」
「私はいつだって元気だ、自由なリベリアン」
「堅物軍人さんはまた部屋掃除ですか」
「あいつがすぐ汚くするから私がこまめにやるしかないんだ!」
「あいつってハルトマンか、ちょっと厳しすぎないか?」
「これでも優しいほうだ!だいたいあいつはカールスランド軍人として…」
これが本物の軍人の会話…なのかな?
でも確かバルクホルン大尉とシャーロット大尉は犬猿の仲のはずでは?
「って感じだ、入ってくるところからやってみろ」
「えっ?今のをするんですか?」
バルクホルン大尉はあっけらかんとしている。
私もなんだか分からない、というかあれをやれと言って大丈夫なのかな?
「そんな嫌そうな顔するな、ほらやってみろ」
「わ、分かりました」
バルクホルン大尉にやって本当に大丈夫…なのかな?
怒られそうで怖い…とりあえず私は一旦部屋を出た。
「付き合ってもらってすまないな、バルクホルン」
「暇だったから構わないさ しかし何をやっているのだ?」
「ま、見てれば分かるさ」
「か、カールスランドのシスコン堅物軍人さん」
私は再び部屋に入ってそう言った。
怒られそうで怖い…
「上官に向かってその口は何だ!」
「ご、ごめんなさい!!」
バルクホルン大尉は護身用の拳銃を私に向けた。
やっぱり怒られた、だから嫌だったんですよ…
「バルクホルン、ジョークでもさすがにそれはないだろう…」
そう言ってイェーガー大尉はバルクホルン大尉の銃を下ろさせた。
「しかし服部、いきなり上官に向かってそれないだろ」
でもそうしろと言ったのは…イェーガー大尉じゃないですか!
そう思ったものの口には出さない。
「たとえば仲良くないうちは『今日は良い天気ですね、大尉』とか」
「『いつもお世話になっております、大尉』とかな」
「リベリアン、今気が付いたんだが服部は悪くない お前が変なことしろと言ったんだろう!」
バルクホルン大尉は私の思っていたことを言ってくれた。
「だって服部が堅すぎるんだ、バルクホルンみたくなったらいろいろと困るだろ」
「軍人ならこれが普通だろう!だいたいリベリアンは…」
「はいはい、分かりましたよ カールスランドの軍人さん」
「わ、私の話を聞け!」
二人の大尉は私のことを忘れたかのように言い争いを始めた。
でもこの二人なんだかんだで仲はいいのかな?
お父様、お母様本物の会話というのは難しいです。
~おまけ~
「服部って確か扶桑出身だったよな、少佐の部下なのか?」
「どっちかと言うと宮藤の妹だな」
「宮藤の妹だと…!?」
「目がキラキラしすぎて気持ち悪いぞ…」
「宮藤の妹ということは…」
「ということは?」
「私の妹でもあるじゃないか!」
「やっぱりそうきたか!」