sleepiness II


 気怠い午後の昼下がり。夜間哨戒を任されたサーニャ、付き添うエイラにとっては訓練や座学の時間ではなく、立派な「睡眠」の時間だ。けど眠れない二人は、ベッドにごろんと横になってぼんやりと会話を重ねる。

「なあサーニャ」
「なぁに、エイラ?」
「サーニャはどんな夢がある? 前に聞いた事の他で」
「……他?」
「そう。サーニャの夢は前に聞いてるししっかり覚えてるし叶えてあげたい。でも、その他には無いかなって」
「なぁにエイラ。それ、プロポーズ?」
「な、なんでそうなるんだヨ!?」
 くすっと笑ったサーニャは、ぼんやりと天井を見ながら呟いた。
「私の夢……」
 それっきり言葉が出てこないサーニャを見て、エイラが支える様に言った。
「ひとつだけの夢が大事なのは百も承知さ。でも、他にも少しは夢があった方が、人生は楽しいって思うんだ。……まあ、そんな事言ってられないのも知ってるけど……なんか、ゴメン」
「良いの、エイラ。そうやって、気を遣ってくれるだけでも」
「サーニャ」
 名前を呼ばれ、そっと手を繋ぐ二人。
「私の夢。他には、考えた事も無かった」
「無理にとは」
「エイラが言い出したのよ? 少し考えてみる」
「そんな真剣にならなくても」
「駄目。エイラが言い出したんだからね?」
「私の責任カヨ……」
 サーニャは小さく笑って見せた。

end


Ⅰ:1673
Ⅲ:1675

コメントを書く・見る

戻る

ストライクウィッチーズ 百合SSまとめ