stand talking


 501の面々が囂しく昼食を楽しむ中。
 ペリーヌはひとり先に済ませると、ワゴンにおかずやら食事を皿に取り分けて載せ、とある部屋へと向かう。
 エイラとサーニャが寝ている部屋だ。
 ノックしようかと思ったが、その前に内部から気配を察したのか、音も僅かに扉が僅かに開き、暗闇の中からエイラがぬっと顔を覗かせた。
「何だ、ペリーヌか」
「随分とご挨拶ね、エイラさん。せっかく持って来たのに」
「せっかく? おお、それハ」
「そう。今日の昼食ですわ。二人共まだでしょう?」
「悪いナ。サーニャ、今寝ててさ。食堂行けそうにないから助かるヨ」
 そう言いつつ、エイラは食事の内容を見つめた。
「扶桑料理に……パスタに、何だコレ、煮物? 統一性が無いナ」
「宮藤さんがルッキーニの口添えで色々作りましたの。生ハムを使うのはわたくしのアイデアでしてよ?」
 一応自分の事も言って、胸を張るペリーヌ。そんな彼女を見て、スオムスのウィッチは、ふーんと言う目で料理とガリア貴族を見比べた。
「まあ、そりゃ、“あの”三人が揃えばそうなるよナ」
 そう言って含み笑いをするエイラに、ペリーヌは頬を赤らめて反論した。
「な、何を言い出すかと思えば!」
「しーっ。サーニャ起きちゃうダロ?」
「あ、あら……彼女、今夜は哨戒に?」
「最近続いててサ。参っちゃうヨ。まあ、私が一緒だから問題無いんだけどナ」
「またそうやって過信して……」
「何だヨ、また小言カヨ」
「そうではなくて」
「じゃあ、何ダヨ」
 問われて、思わず言葉が止まるペリーヌ。
 心配して……とは、何故か、言えない。
 エイラは一瞬きょとんとしたが、にやっと笑ってその場を誤魔化した。
「ま、ありがとナ。貰うヨ」
 エイラはひらひらと手を振ると、さっと食事の載ったワゴンを引き込み、ぱたんと扉を閉めた。

 まったく。
 あのひとはいつもいつも。

 ペリーヌはいつもと同じ様子、いつもと変わらぬ“仲間”達を前に、はあ、と溜め息をついて、部屋に戻った。

end


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