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√31「これからのわたしたち」


朝食時、あの場にいなかったのはサーニャだ!

この501部隊のメンバーは10人、だけどここには11人いる。
誰か一人、この場にいるべきではない人物がいる。
だからってサーニャが存在しない世界なんてありえるはずがない。
なんなんだ、こんなの私の世界じゃない!

「気付いちゃったんだね、私の存在に……ついに来たんだねこの日が……やっと逢えたねエイラ」

サーニャがそう言った瞬間周りの風景が一瞬で消えた。
背景だけじゃない今迄お茶を楽しんでいた隊員みんな含めて、全て真っ白になってしまった。
その純白の世界の中に私とサーニャだけがポツンと存在していた。

「サーニャ?いったいどういう事ナンダ!サーニャ!」

「ここは私が創った空想の世界、私が描いた物語の中の世界なの。
そしてエイラ……あなたはその物語の中の登場人物。

私は孤独だった。家族と離れこの隊に配属されてからもずっと、私は独りぼっちだったわ。
ある日私は考えたの、ならばお友達をつくろうって。
私のなりたい自分、もしもこんなお友達がいたらいいなっていう願望を形にして。
私は書き始めたわ、そんな女の子が活躍するこの物語を。
そしてその女の子こそが、エイラ……あなたよ。

でももう私が書き綴るこの物語はここでおしまい。
ついにあなたは私のペンを離れ、自分の意志でこの世界に私を登場させた。
もうあなたはただの登場人物なんかじゃない、命を持った存在なのよ。

お別れだねエイラ……
いいえこれからはあなた自身がこの世界を創っていくんだもの、あなたの世界のあなたのサーニャとはいつでも会えるわ。
その世界であなたとサーニャがどうなっていくのかはあなた次第。
あなたの生きた人生がこの本に書き綴られていくんだもの。
私はこれからもあなたを見ているわ、だからさよなら……愛しのエイラ」

「サーニャ……サーニャ!ワタシはサヨナラなんてしたくないヨ!」

~Rebirth~
私は目覚める、なにやら夢をみていた気もするけどはっきりとした記憶はない。
私はふと考える。あの夢はどこから来て、どこへ消えていくんだろう。
そして私は考える。私の存在について。
今ここに在る私はひょっとして誰かがみている夢なんじゃないか。
たとえこれが現実だとして私は何者なのか?何故ここに在る?
ん?以前にもこんな事を考えた気もする……デジャヴ?
まぁよくある事なんだな。

そんな事を考え寝返りをうつと目の前にサーニャの寝顔が現れた。
あわわわわっサーニャ!なんでこんなとこにいるんだ!もしかして部屋間違えたのか?
うぅ~そっそんな油断しきった顔しちゃって……

「うぅ~キョ、キョウダケ…ダカンナ」

今日だけ……そんな今日だけが365日続けばいいななんて思いながら、私は眠れぬ夜を明かした。

エンディンクNo.06「これからのわたしたち」
~おしまい~








そして……

→√▲■へ

※どこかのパラグラフで、エイラは二回「if」という題名の本を発見します。
その本の中で【▲と■】が何を意味するのかは語られています。
その手がかりをヒントにして、次のパラグラフの√に進んで下さい。
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