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√33「お姉ちゃんとバンパイア」


~起床~
私は目覚める、なにやら夢をみていた気もするけどはっきりとした記憶はない。
全身に冷たくも心地良い温もりが伝わって来る。私は愛しのトゥルーデ姉ちゃんに抱かれたまま眠っていたようだ。

「気分はどうだエイラ?」
「ソンナ気分だナンテ、トゥルーデ姉ちゃんに抱かれて幸せじゃないワケないダロ~」
「クックック、可愛い奴め」

私の胸は幸福で満たされていた。知らなかった、夜がこんなに明るかったなんて。
夜の闇もトゥルーデ姉ちゃんも、この世のすべてが輝いて見えた。まるで新たな自分に生まれ変わった様だ。

「エイラ……」
「姉ちゃん……」
「エイラ……」
「姉ちゃん……」
「エイラ……」
「姉ちゃん……」
私とトゥルーデ姉ちゃんは時間を忘れただただ見つめ合う。

「やっふふ~エイラさんばかりずるいです!私もお姉ちゃんとハグハグしたいもん!」

そして私の幸福な一時を打ち破る邪魔者は突如として現れた。げっ宮藤だ、今いいとこなのに邪魔するなよ。

「ちょ~っとあんたたち、待ちなさい!」
誰かが窓をぶっ壊して飛び込んで来た。ルッキーニだ。
「あ~ん愛しのトゥルーデお姉さまぁ~ん」
そう言いながら宮藤の顔面を踏み潰し、踏み潰された宮藤は床にめり込んだ。

「そうよねぇ~」
今度は坂本少佐が音もなく現れた。
「少佐どうしたンダ、いきなり現れテ」
「いろいろ……いろいろあったのよね……」
いろいろあったんだろうな坂本少佐……口調まで変わっちゃってるよ。
「じゃあ私はこれで……」
いったい何しに出て来たんだよ坂本少佐は!

「お姉さまぁ……んぐぅーぅぅぅげぼっ」
「いい気にならないでよねルッキーニちゃん、お姉ちゃんは私‘だけ’のものなんだからね!」
少佐に気を取られている隙に宮藤は二次元の世界から帰還していた。ライバル達は押し退きながら愛しの姉ちゃんに擦り寄っている。
私だって負けてられないんだな。私も姉ちゃんに駆け寄り、問い質す。

「いったいダレが一番好きナンダ!?」
「私が一番好きなのはエイラ……おまえ達の、その血だよ!カプッちゅぅぅぅ~♪」

あぁぁぁぁ~トゥルーデ姉ちゃんが、トゥルーデ姉ちゃんがぁぁぁ、私の血を吸っているぅぅぅ~。
私は幸せです、私はトゥルーデ姉ちゃんの妹でいられて幸せですぅ~。
エイラは、エイラは一生トゥルーデ姉ちゃんの愛奴ですぅ。

貧血を起しかけた私の脳裏に一人の少女の顔が過る、サーニャだ。なぜ彼女の顔が思い浮かぶ?
そんな事もうどうでもいい、なぜなら今の私にとってトゥルーデ姉ちゃん以上に大切な者など存在しないのだから……

エンディンクNo.08「お姉ちゃんとバンパイア」
~おしまいでちゅー~


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