√34「さよならの詩」
新に書き綴られたページを読み終えると‘私’はその「if」という題名の本を閉じた。
それはちょっと不思議な物語。
エイラというとても素敵な女の子の物語。
ねぇエイラ、エイラはあなたの未来を手にいれたんだね。
自分の人生を生きて、もう‘私’なんかのものじゃないんだね。
‘私’も飛び立たなきゃだめだよね。
‘私’はそう決心しでキッチンに向う。キッチンには宮藤さんがいて朝ご飯の準備をしていた。
でもどうやって声かければいいの?エイラならこんな時どうしてたかな?
‘ほら早く行けヨ、オハヨウってさ、簡単ダロ?’
あれ?今の声……エイラ!
うんエイラ、私もう一人でも平気だよ、頑張れるよ。
「おは……ようっごさいます」
「あっ!おはよーサーニャちゃん」
「あの……トマト洗うの……手伝います」
「うんありがとう!トマトは体にいいんだよ~生理不順とか特に、なぁ~んて私ぃ生理まだなんだけどね、えへへっ」
「私も……私もまだだよ……芳佳ちゃん」
「サーニャちゃん……今芳佳ちゃんって?芳佳ちゃんって!初めて名前で読んでくれたね!」
「あの……ごめんなさい」
「そんな事ないよ、ありがとう!サーニャちゃん、私達きっと素敵なお友達になれるよ」
「うん……私も……そうなれたら嬉しいな……芳佳ちゃん!」
ねえエイラ、私もう一人じゃないよ、だから頑張れるよ。
~エピローグ~
未来はまるでわたぐものよう
ふわふわしていて心地よく
ぼんやりとして触れることは叶わない
でもね ながめているだけでは置いていかれるもの
だからわたしはとびつづけるの この広い空を
あなたとすごしたあの日を胸に……
愛しのエイラへ捧ぐ詩
エンディンクNo.00「さよならの詩」
~おしまい~